第22話

20.
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2022/10/10 03:14
あなた【執事】
申し訳ありません!遅れました!
俺は急いで待機場と言われる長テーブルがある所だった。そこには3人の方が椅子に座って待っていた。
その3人は初めて見る方ばかりだった。
パトリシア・ドーヴァル【呪術師】
君が新サバイバーか?
1人はバンダナを巻いた、顔や腕に模様がある女性。
あなた【執事】
はい。自己紹介が遅れて申し訳ございません
あなた【執事】
執事を勤めさせて頂くあなたという物です
自己紹介をすると女性は小さく礼をし、俺を見つめる。
パトリシア・ドーヴァル【呪術師】
私は呪術師のパトリシア・ドーヴァル。よろしく
カヴィン・アユソ【カウボーイ】
仔猫ちゃん。あまりの美しさに見惚れてしまったよ!
2人目はカウボーイハットを被った、縄を持った男性。
あなた【執事】
こ、こねこ…?ありがとうございます……?
少々呼び方に疑問を抱いたが、話が入ってこられずとりあえずお礼を……
パトリシア・ドーヴァル【呪術師】
カヴィン、どう見たって男じゃないか
カヴィン・アユソ【カウボーイ】
美しすぎて一目惚れしてしまったよ。僕の仔猫ちゃん
カヴィンさんと呼ばれる男性は俺の前で跪き手を差し伸べる。
あなた【執事】
え、プロポーズ……?
急展開に驚きを隠せない俺は、カヴィンさんの差し伸べる手を両手で包み、同じ目線目線になるようにしゃがんだ。
あなた【執事】
まずは、お友達からでも…いいですか?
少し首を傾げて、遠慮しがちにそう言う。
カヴィン・アユソ【カウボーイ】
…!勿論だとも!
一瞬頬を赤らめ、勢いよくそう言ってくれた。
あなた【執事】
(なんとか、切り抜けられた…)
そして、最後の3人目は、
エドガー・ワイデン【画家】
…………
ベレー帽を被った、服に絵の具が染められている中性顔の方だった。
中性顔の方は見るからに画家っぽく、俺をジーっと見つめていた。
あなた【執事】
よろしくお願いします
笑顔で俺はそう挨拶をした。中性顔の方は目を見開き、顔を赤くした。
あなた【執事】
(俺、なんかしちゃったかな?)
初対面だけれど過去に何かしたしまったのか不安に思う。
カヴィン・アユソ【カウボーイ】
エドガーくん、大丈夫かい?
エドガー・ワイデン【画家】
え、あ…うん。
エドガーと呼ばれる彼はカヴィンさんに声をかけられて、正気を戻したかのように呆気なく返事をした。
あなた【執事】
(体調でも悪いのかな?)
少し心配になりつつも、空いている椅子に腰掛ける。
それにしても____
あなた【執事】
(誰も格好のことは質問してこなかったな。良かった…)
パトリシア・ドーヴァル【呪術師】
それで、なんであなたはそんな格好をしているんだ?
安心しているのも束の間、即座に聞かれた質問にどう返すか迷う。
カヴィン・アユソ【カウボーイ】
白い布を羽織って…体調でも悪いのかい?
あなた【執事】
いえ、そんなわけでは…
パトリシア・ドーヴァル【呪術師】
では、なにか白い布を羽織る事情があるのか?
質問の山で焦りを感じてくる。
あなた【執事】
えっと……
カヴィン・アユソ【カウボーイ】
失礼するよ、僕の子猫ちゃん
いつの間にか背後に回っていたカヴィンさんが俺の羽織っている白い布を剥がす。






そのとき…視界が暗くなり、何処かでパリンッとガラスの割れる音が響く。
あなた【執事】
ここは……
目を覚ますと教会のような場所に立っていた。

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