俺は急いで待機場と言われる長テーブルがある所だった。そこには3人の方が椅子に座って待っていた。
その3人は初めて見る方ばかりだった。
1人はバンダナを巻いた、顔や腕に模様がある女性。
自己紹介をすると女性は小さく礼をし、俺を見つめる。
2人目はカウボーイハットを被った、縄を持った男性。
少々呼び方に疑問を抱いたが、話が入ってこられずとりあえずお礼を……
カヴィンさんと呼ばれる男性は俺の前で跪き手を差し伸べる。
急展開に驚きを隠せない俺は、カヴィンさんの差し伸べる手を両手で包み、同じ目線目線になるようにしゃがんだ。
少し首を傾げて、遠慮しがちにそう言う。
一瞬頬を赤らめ、勢いよくそう言ってくれた。
そして、最後の3人目は、
ベレー帽を被った、服に絵の具が染められている中性顔の方だった。
中性顔の方は見るからに画家っぽく、俺をジーっと見つめていた。
笑顔で俺はそう挨拶をした。中性顔の方は目を見開き、顔を赤くした。
初対面だけれど過去に何かしたしまったのか不安に思う。
エドガーと呼ばれる彼はカヴィンさんに声をかけられて、正気を戻したかのように呆気なく返事をした。
少し心配になりつつも、空いている椅子に腰掛ける。
それにしても____
安心しているのも束の間、即座に聞かれた質問にどう返すか迷う。
質問の山で焦りを感じてくる。
いつの間にか背後に回っていたカヴィンさんが俺の羽織っている白い布を剥がす。
そのとき…視界が暗くなり、何処かでパリンッとガラスの割れる音が響く。
目を覚ますと教会のような場所に立っていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。