エドガーさんと手を繋いでレッドカーペットの方まで走る。背後には俺たちを追う男性が来ていた。
ヒリヒリする背中を負う俺は、エドガーさんと繋いでいた手を離し、エドガーさんを前へ押しやった。
エドガーさんは、また俺と手を繋ぎ直し。逆に俺を前に優先する。
男性は刃を振り、霧を放つ。
繋いでいる手を引かれて、危機一髪で霧を避ける。
エドガーさんは一旦手を離しキャンパスに走りながら絵を描き始める。
墓場までエドガーさんに守って貰いながら、走り続ける。
ガダガダ墓場に着いた途端、暗号機を操作する音が聞こえた。
そのとき、エドガーさんが一発食らってしまった。
エドガーさんの背後から瞬間的に移動した男性は、刃を大きく振りエドガーさんをダウンさせた。
墓場に居たら、音がした暗号機の方からチャットを打ったカヴィンさんが走って来た。
俺に気づいたカヴィンさんは目を輝かせて俺に話しかけてくれた。
肉壁からのタゲチェンはよくあることだと聞いたが、負傷状態の俺をずっと追いかけると思い込んでしまった。
ダウンするまで俺を庇ってくれたエドガーさんは、男性に吊るされていて。まだ椅子には座っていない様だった。
そう言ってカヴィンさんは風船に吊るされるエドガーさんに近づき縄を振った。
カヴィンさんは器用にエドガーさんを縄で引き寄せ、肩に担ぐ。
安心した笑みでエドガーさんの手を握り、少し息が荒れているがそう言った。
頬を赤く染め、そっぽを向いてしまったエドガーさんは俺の手を引いて走り出した。
ガッシャンッ__1つの暗号機が上がり、後1台。
背中の痛みに慣れて来た俺は、エドガーさんを北ゲートの方へ思いっきり背中を押し、ハンターと1対1になる。
ドクドクドク心音が耳に響く。苦しいぐらい心臓が動く
少し強気で走りながら男性に言った。
キュイーーン‼︎暗号機が完了するサイレンの様な音が全身を痺れさせる。
通電と共に男性の目が鋭く光っている。一発でも食らったら、ダウンだ。
きちんと背後を気にしながら、小屋の方へ回る。
教会の窓枠を越えて、レッドカーペットの方まで走る。
幸いなことにレッドカーペット側のゲートは開いていた。そして、残り俺だけ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。