第50話

カボチャプリン
3,077
2021/10/03 14:31




___竜胆side






you
you
ねえねえ竜胆、美味しい?
竜胆
ん、美味い。こんなの知ってるの?
あれから2日後、あなたの熱は下がり、
彼女も以前よりも素直になってきた。
今は彼女が作ったお菓子の味見をしてる。
you
you
一時期ケーキ屋のバイトしてて…。
その時の事思い出して…
竜胆
もしかして料理とかできる?
you
you
小さい食堂とかお弁当屋さんの
お手伝いもしてたから一応…
彼女の話から察するに目の前にある、

このお店に売ってそうな見た目の
カボチャプリンは見様見真似で作ったって事だろう。
絶対に器用だし料理上手いな。
こんど手伝わせよっかな…。
マイキー
マイキー
何してんの?
竜胆
あ、マイキー。
プリンを食べ進めながら考えていると、

台所の入口からマイキーが入って
まじまじとオレのプリンを見ていた。
you
you
たい焼きならあそこにあるけど…
テーブルの上にぽつんと置かれた紙袋。

今朝仕事前にヤク中がパシられて
買ってきたたい焼き達。
マイキー
マイキー
それなに?
竜胆
かぼちゃプリン。あなたが作った奴ですよと。
you
you
食べるなら持ってこよっか?
オレのプリンから目を離さないマイキー。


あなたが気を遣って聞くと、
こくんとそれに頷くマイキー。
マイキー
マイキー
…美味い
一口食べてその一言を零し、
再びスプーンを進めるマイキー。
you
you
よかった…。
彼女も安心してるらしい。

まあマイキーの食生活見ると分かるけど、
好き嫌い多いし偏りが凄い。
マイキーの飯は大抵オレと鶴蝶で
仕事が空いてる方が作ってるけど兄貴より面倒い。
少し前までマイキー専属の奴が居たけど、

そいつもマイキーの食生活に追いつけなくて
すぐに別の仕事に回った。
マイキー
マイキー
…ご馳走様
竜胆&あなた 『はや』
オレより後に来たはずなのに
あっという間に間食してしまったマイキー。
あなたは黙々とマイキーのカップを
片付けようとする。
オレンジジュースを飲みながら一息つくマイキー。
すると黙々と手を動かすあなたの方を見始める。
マイキー
マイキー
あなたって料理出来る?
you
you
え?あ、まあ…
突然の質問に困惑しながらも返答するあなた。

オレは一人、その質問の先にあるものに
嫌な予感を感じながら無言で見守る。
マイキー
マイキー
じゃあ今日の夜はあなたね
you
you
え?あ、はい(?)
まあ大体予想はしていた。

彼女は困惑しながらこちらに
救いを求める目でサインを送る。
でも「はい」って言ったらおしまいなんだよ。
いや、そもそと拒否権なんてない。
オレは指で小さくバツを作り彼女にサインした。
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