___蘭side
ついて行くべきだった。
オレがアイツの両親を甘く見ていた。
アイツが笑顔だったから…
あの狂気がどれほどのものか測れなかったから。
___あなた!!!
戻ってきたのは身体中にガラスの破片が刺さり
血まみれになりながらゴミ袋を持ったあなただった。
顔とかに外傷は無かったが、腕が酷い。
多少のガードはしたんだろう。
ただそれだけ言って、彼女は倒れた。
倒れる寸前でとオレが止めたが、
既に重力で地面に吸い込まれる彼女の体を
お姫様抱っこして後部座席に横にした。
彼女の血がオレのスーツに染みていた
あなたの荷物をトランクに運び、
そのまま素早くこの場から去る準備を終わらせる。
2人揃ってあなたの身を案じている。
生きてはいるが面倒な事に
彼女に刺さっているのはガラスの破片。
まだナイフで肩を一刺しとかの方が
楽だったのではないかとさえ思う。
ただどちらにせよ、一秒でも早く、
こいつの体にちゃんとした処置をして欲しい。
アジトに着くと、車が完全に泊まる前に下りて、
彼女を抱えアジトに入っていく。
オレの腕の中で未だに血をボタボタの流す彼女を見て
サッと血の気が引き真っ青になってオレを見る九井。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!