___九井side
アイツの情報を調べていくうちに
段々と『如月あなた』という人格の異常さ、
「幸せ」への異常な執着心を覚えた。
親からは嫌われ虐待を受け、
学校の奴からは嫌がらせを受け、
もう治る事のない持病を抱え、
あとは先にあの世に逝った
『黒川イザナ』の元へ逝くだけの
不幸であまりにも報われない女子高生だと思ってた。
何もかも全てを受け入れ、
偽りの仮面を被り過ごしてきた彼女。
でも、そこに受け入れられないものがあった。
結果違法薬物やら身売りに手を出し、
彼女は最初から反社側
だったのだと思い知らされる。
何より彼女が手に入れてた違法薬物は、
全て梵天の下にいる
密売人と取り引きしていたもの。
彼女はだいぶ前から既に梵天と関わりがあった。
彼女の払った金は密売人から直接
上にある梵天に上納金として支払われる。
オレらが生活している金には、
少なくとも彼女がカラダを売って
手に入れた金が入っている。
青筋を立てる灰谷兄を想像しながら、
彼女の家系を調べる中もう一つ判明した
事実に頭を悩ませる。
それは彼女の両親のこと。
彼女の両親は闇金融から大量の借金をしてる。
まあその闇金融ってのがまたまた
梵天の下についてるやつ。
返済が出来ないアイツの親は、
数日前までは娘を売るという事になっていたらしい。
だが、その前にオレらがあなたを誘拐した。
本来、今頃彼女は梵天に売られた身って事になる。
何かと彼女は歪に梵天と絡まっていた。
そもそもアイツの学校の校長も
梵天の下っぱで今じゃユダとして殺されたがな。
カップに僅かに入ったコーヒーを
全て飲みほし、一息つく。
まもなくして、まとめた情報の資料をまとめ、
ひとまずボスの所に行くことにした。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。