___ココside
落ち着いたか?
無表情で言葉は何一つ紡がなくなり、
虚空を見つめる彼女にホットココアを差し出す。
気休めだが飲んでおけ。
……
彼女は差し出されたホットココアを
ボーッと眺めるだけで口には付けなかった。
…ざ
??
痣とか…見たんですか?
相変わらず目線はホットココアを見ていたが、
それでもやっと言葉を紡いだ。
あ〜、服のことか。わりぃ。
非常事態だったもんだから…
別に気にしてないから良いです。
そう言うと彼女はぬるくなった
ホットココアに口をつけた。
しばらく無言の時間が流れた。
…!!
どこに行く!?
外の空気が吸いたいので…
屋上に行ってきます。
バッとベッドから降り、ドアの方に歩き出す。
怪我が怪我だ。無理するな。
すぐそこだから大丈夫です。
ホットココアが入っていた
マグカップは既に空になっており、
それを見ながら「晩飯何にしようか」
とか考えながらオレも部屋を跡にした。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。