___あなたside
九井に言われて今下着とか並んでる場所にいる。
咄嗟にフードを被り俯き、声に耳を傾ける。
_____どうしよ、、学校の人だ....
突然の事に混乱し、頭が真っ白になる。
そうだ。ここは反社のアジトじゃない。
一般の…いや少し高いけど一般客が来る店。
_______そりゃあこうなる事もあるよね....
声はどんどん近くなり、
とうとう声の主が四人ほどの集団で
ワタシと同じレーン入ってくる。
______落ち着いて、、まだバレてない....
『_____早くここから離れなきゃ』
そう思いながらその場を立ち去ろうとする。
カラダが凍りつく。
心臓の鼓動が一気に早くなり、
カラダ中の穴という穴から
変な汗が吹き出る感覚に陥る。
まるで時間が止まったように
思考回路だけがグルグルしている。
_____どうしようどうしようどうしよう。
声的にリーダー格…カースト上位の子だろう。
_____見つかりたくない。何も言われたくない。
今までこんな感覚に陥ったのは初めてだ。
でも今回こんな感覚に陥ったのは
きっとワタシが『泣く』という事を思い出したから。
_____今のワタシには…何も耐えられない…っ..
後ろからする声に更に早く心臓が脈をうつ。
「トン」と肩に手を置かれ、
ビクッとカラダが反応する。
乱れる呼吸の音を必死に殺して
浅くでも何度も何度も荒い呼吸をする。
_____あぁ、バレちゃう。やだ、やだ。
突然聞き覚えのある声がし、
気づいた時に誰かに引っ張られ
正面から抱き寄せられる。
何が起こってるかよく分からない。
でも確かに、クラスメイトがこの場を去る音がした。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。