第23話

演じる理由
5,005
2021/09/20 12:42



___あなたside





いつもそうだ。



あなた
ふぅ…


体いっぱいに風を浴び、生を実感する。

ふと思う。どうしてワタシは我慢してるのか。








仲良し家族がいいから?
楽しい学校生活を過ごしたいから?


どれも当てはまるようで当てはまらない。



結局最終的にワタシの願いは…



あなた
幸せになりたかった



願えば願うほど遠くなって行く目標に、

いつしか既に叶っているものだから
これ以上は望まない。


ずっとこれが続けばいい。





___そんな風に思うようになる



蘭
何してんの

背後から掛けられる声に反応し、

バッと振り向くと、ある人物が居た。


あなた
ら、ん?
蘭
そうそう、蘭ちゃんね。


何故に「ちゃん」付け。
しかもノリ軽くない?


そういえばワタシ、この人に自分の荷物…。



あなた
あの…ワタシの荷物…
蘭
ん〜、あなたちゃんの部屋に置いてる。
てか起きる度に人格変わるね
あなた
慣れてください
蘭
オレたちが慣れる方なのか。
あなた
で…何しに来たんですか?
蘭
気になったからさ。
大将とどんな日々を過ごしたの?



大将?誰のこと?




困惑したワタシの表情を見ると、

彼は少し考えて言葉を言い直した。


蘭
あ〜、黒川。黒川イザナの事な。



鉄の柵にもたれて座り込むワタシの隣に、

スっと歩み寄りしゃがみ込んで
こちらをニヤニヤしながら見る彼。


あなた
何考えてるの?
蘭
何か考えてるように見える?
あなた
控えめに言って怪しい。
蘭
気になるだけなんだけどなぁ。



まぁ、言おうが言わまいが結局全ては

『ワタシとイザナの過去』で
片付けられてしまうだけ。


今更隠すつもりも隠す理由も何処にもない。



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えっと…ここまで来てごめんけど、
あなたちゃんにはずっとイザナの事
想って欲しいって思っちゃってます。


ダメですか?

アンケート

夢主ちゃんは…
イザナに一途で
42%
梵天の人でオチつくって!
58%
投票数: 2675票

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