___蘭side
オレの腕を掴んで気持ちよさそうに
寝息を立てるあなた。
九井から寝不足の原因の予想を
何となく聞いてはいたが_______.
ホントに部屋から泣いて出てくると思わなかった。
まもなくするとツーっと彼女の目尻から
一筋の涙が流れていく。
そっと指で掬ってやると
オレの腕を掴む力をギュッと強める。
あれだな。ここまで来ると
襲うとかじゃなくて愛でたい。
朝はオレの方が先に目を覚ました。
未だにオレの腕から離れてない。
朝ご飯で用意しないと、とか思うが
どうも強く抱き締められてる。
オレの血止まるって。
どうしようか悩ませていると、
彼女の目がパチッと開く。
うーん。悪い気分はしない。
むしろ物凄く良いしウェルカムだけど…。
すると彼女は不満そうな顔をすると
オレの腕を離して、反対側に寝返る。
意外にも朝に弱いタイプだったか。
まあそのうち出てくるだろう。
そう思いオレだけベッドから出て
軽い朝食を作りに台所に歩を進めた。
NEXTchapter↪︎
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。