第35話

掬った涙
3,771
2021/09/27 22:29




___蘭side







オレの腕を掴んで気持ちよさそうに
寝息を立てるあなた。



九井から寝不足の原因の予想を
何となく聞いてはいたが_______.


ホントに部屋から泣いて出てくると思わなかった。




まもなくするとツーっと彼女の目尻から
一筋の涙が流れていく。


そっと指で掬ってやると
オレの腕を掴む力をギュッと強める。





あれだな。ここまで来ると
襲うとかじゃなくて愛でたい。












朝はオレの方が先に目を覚ました。

未だにオレの腕から離れてない。


うーん、どうしようか。



朝ご飯で用意しないと、とか思うが
どうも強く抱き締められてる。


オレの血止まるって。


you
you
ん、あ、?


どうしようか悩ませていると、
彼女の目がパチッと開く。


あ、おはよう♡
you
you
……おやすみ。
待って待って。
なに二度寝しようとしてるの?
you
you
蘭もだよ?抱き枕。


うーん。悪い気分はしない。

むしろ物凄く良いしウェルカムだけど…。


オレ仕事♡


すると彼女は不満そうな顔をすると

オレの腕を離して、反対側に寝返る。


意外にも朝に弱いタイプだったか。




まあそのうち出てくるだろう。



そう思いオレだけベッドから出て
軽い朝食を作りに台所に歩を進めた。


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