「蒼ってばいつまで華宮先輩に片想いを続ける気?」
お昼を取っていると同じクラスで仲の良い
弥生ちゃんがそんな話題を持ちかけてくる。
私は卵焼きを口に頬張りながら 「んー。」と言葉を漏らす。
昨日、屋上で告白をした。
もちろん今日も華宮先輩に想いを伝えてきた。
だけど華宮先輩は返事という返事を返してくれない。
いつも
「あっそ」だとか「へー」だとか適当に流されるものだから私のガラスメンタルもいつしか鉄鋼に変わっていた。
私がそう言うと軽く引いてる弥生ちゃん。
「蒼…今日で何回目の告白?」
「あんた何回想い伝えるのさ」
やっぱり時間も限られてるし
そろそろ華宮先輩に呆れられてもおかしくない
さすがにそろそろ潮時かな…
卒業式に想いを伝えるとなるとぴったり100回目になる。
これだけ想いを伝えていても無理となると
やっぱりこの恋が実るのは奇跡に近いのかな?
「101回プロポーズしている人が居るんだからきっと蒼も奇跡が起きるよ」
私はそう心に固く決め、気合を入れてお弁当をかき込んだ。
華宮先輩!
やっぱり大好きです。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。