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第1話

count.7☆゚
242
2018/02/20 10:19
宮音 蒼
宮音 蒼
華宮先輩!
こんにちは!
華宮 悠里
華宮 悠里
またお前か
宮音 蒼
宮音 蒼
今日もいい天気ですね!
私は夏の屋上で、スマホをいじっている華宮先輩から空に目を移す。
華宮 悠里
華宮 悠里
そうだな
ぶっきらぼうにそう短く返す華宮先輩に
すかさず私はこう言う。
宮音 蒼
宮音 蒼
華宮先輩。
今日も好きです!
華宮 悠里
華宮 悠里
あっそ
これで何度目の告白になるんだろう。

えっと…確か94回目だ。

あと少しで3桁にいってしまう…
宮音 蒼
宮音 蒼
華宮先輩!
一体いつになったら私のことを好きになってくれるんですか?
私は肩を落として、華宮先輩の隣に腰をかける。
まったく…なんてブツブツと口を尖らせながら
私は不満を漏らす。
華宮 悠里
華宮 悠里
さぁな
私の方を見ようともせず、スマホに目線を向けたまま華宮先輩はまたもや冷たく流す。
私は入学時からずっとずっと華宮先輩が好きだった。

冷たくて周りからは良く見られていないようだけど、私は知っている。

華宮先輩が優しい心を持っている人だということを。
宮音 蒼
宮音 蒼
華宮先輩?
もう卒業まで1週間ですよ?
華宮 悠里
華宮 悠里
知ってる
あぁ…

華宮先輩は分かっていないよ。

" 卒業 "

この言葉が意味するものはただ1つ。

高校3年生の華宮先輩と高校2年生の私。


すなわち " 別れ " を意味する。
宮音 蒼
宮音 蒼
寂しくないんですか?
私は凄く寂しいです。
死んじゃいます。
華宮 悠里
華宮 悠里
お前のメンタルはウサギか
これでも華宮先輩とはかなり話せるようになった方。

華宮先輩に初めて声をかけたのは初めて告白をした日。

華宮先輩…あの時は無視だったよな…
宮音 蒼
宮音 蒼
えへへ…
私は再び青空を見上げる。

卒業まであと1週間。

例えこの恋が実らないとしても、私は華宮先輩と別れるまで…想いを伝え続ける。


後悔だけはしたくないから。

私は華宮先輩の横顔を盗み見る。


無駄に整った顔立ちに、横に留めてあるピンが
可愛い。

メガネをかけている華宮先輩は色気が漂っている。


あぁ…

毎日募るこの気持ち。
宮音 蒼
宮音 蒼
一体、どうすればいいの?
私のそんな儚い言葉は、青い空へと吸い込まれていった。

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