第4話

count.4☆゚
180
2018/02/21 22:09
「宮音さん!」
宮音 蒼
宮音 蒼
は、はい!!
先生に名前を大きな声で呼ばれ思わず立ち上がる。
「またボーッとして!この問題解けるわよね?」
宮音 蒼
宮音 蒼
え…あの…
もちろん、授業を聞いていなかった私が答えられるはずがない。
謝って聞いていなかったことを正直に言って座ればいい。

それができないのは、この先生だから。

この先生は無駄に課題を出すのが好きな先生

きっとここで聞いていなかったですと言えば
1週間分の課題を出してくるだろう。


困り果ててどうすればいいのか悩んでると

トントン


私の隣の席の男の子…私の幼馴染である
友也が答えを書いたノートを見せてくれた。


「4√3です」

「あ、合ってます…座りなさい」


どこか顔が引きつってる先生。

だけど友也のおかげで私の地獄は回避された。



休み時間。
宮音 蒼
宮音 蒼
いやー…助かったよ!
桑井 友也
桑井 友也
これで何回目だよ
友也の言う通りこれが初めてではない。
宮音 蒼
宮音 蒼
先輩のこと考えてたら
先生の話なんか入ってこなかったの!
私自身思うけど、私は華宮先輩に夢中だ。

それは周りが見えなくなるほど
桑井 友也
桑井 友也
あれだけ断られているのに?
宮音 蒼
宮音 蒼
うん!
どこか腑に落ちない顔をしている友也。

悩み事でもあるのかな?
その時は友也の気持ちに私は気づかなかった
宮音 蒼
宮音 蒼
華宮先輩!
一緒に帰ってもいいですか?
華宮 悠里
華宮 悠里
勝手にしろ
私は相変わらずぶっきらぼうな先輩の隣を歩いて帰路に着く。

何度か華宮先輩と帰ったことはある。

いや…勝手に着いてったことはある。
宮音 蒼
宮音 蒼
華宮先輩。
好きです
華宮 悠里
華宮 悠里
お前はバカなのか?
うう…
厳しいお言葉…
宮音 蒼
宮音 蒼
バカと好きは紙一重なんですよ!
華宮 悠里
華宮 悠里
フッ…
救いようがないな
あ!!

華宮先輩が笑った!!
宮音 蒼
宮音 蒼
華宮先輩…!!
華宮 悠里
華宮 悠里
なんだ
華宮先輩は笑を消す。

あー…もったいない。

もっと見たかったのに…
華宮 悠里
華宮 悠里
ほら
さっさと帰れ
宮音 蒼
宮音 蒼
はい!
ありがとうございました!
華宮先輩は必ず私を家まで送ってくれる。

本当に優しい。

不器用な優しさが私をくすぶる。


やっぱり好きです…


諦めるなんてできるかな?


私は帰る華宮先輩の背中を見つめそう思った

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