第6話

count. 2☆゚
172
2018/02/22 22:24
宮音 蒼
宮音 蒼
華宮先輩〜!!
イノシシが突進するかのように私はまっすぐ
華宮先輩に向かって走り出す。
だけど…

華宮先輩は私に見向きすらしない。
宮音 蒼
宮音 蒼
え…
華宮先輩?
いつもなら冷たい態度だけど 返事は返してくれる。

だけど今日は…
華宮 悠里
華宮 悠里
お前の俺への気持ち
全部嘘だったんだな
呆れたようにそう呟く華宮先輩。
宮音 蒼
宮音 蒼
え…
華宮 悠里
華宮 悠里
昨日、屋上で
宮音 蒼
宮音 蒼
見てたんですか…?
そんな私の声は誰にも拾われず
華宮先輩も私から離れていった。

あぁ…
駄目だ…涙が…


卒業まであと2日。


私は…ついに華宮先輩に嫌われてしまった。


誤解なのに…でも…これでいいのかな?

華宮先輩はずっと私に付きまとわれて嫌だったよね…
宮音 蒼
宮音 蒼
ごめんなさい…
華宮先輩。
この気持ちにはもう踏ん切りを付けよう。

この2年間。

華宮先輩に恋してよかった。




そしてまだ少し腫れている目で教室に行く。

友達からはどうしたの?と聞かれた。

だから
宮音 蒼
宮音 蒼
昨日のドラマで泣いちゃって
そう嘘を付いてしまった。

この涙が失恋だと知られるのが嫌だった。
桑井 友也
桑井 友也
蒼…俺…
宮音 蒼
宮音 蒼
いいんだよ友也。
それにこの涙はその涙じゃないから
どうやら友也にはバレたみたいだけど
この嘘を貫き通した。


明日は華宮先輩の卒業式。

2年間の想いの最終日。

明日、私は想いを伝えないが笑顔で華宮先輩を見送ろうと思う。


だって嫌われたとしても華宮先輩は私の初恋で
大切な先輩だから。


きっと涙でクシャクシャになるかもしれない。


明日で最後。

そう思うとやっぱり胸がキュッとなる。


いっそ明日なんて来なければいいのに。

そう心のどこかで思う私が居る。





_____先輩…好きです______

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