第2話

0.プロローグ
203
2020/02/17 13:06
~プロローグ~




1人の青年は嘆いた。
虎銀音夜
虎銀音夜
どうして…俺は思い出せないんだ?






1匹の悪魔猫は悲しんだ。
ねこリン
ねこリン
僕がちゃんとした記憶を持っていれば…音夜さんは………。






1人の母親は苦しんだ。
螺澄璃
螺澄璃
仕方ないの………仕方ないのよ!!"あの人"には…逆らえないの…!







1人の弟は微笑んだ。
鬼音
鬼音
へへっ♪"あの人"のゲーム、すっごく楽しいべ♪おにーちゃんには申し訳ないけど!






1人の同級生は嗚咽した。
ルフィ
ルフィ
うっ………俺、"あいつ"に言われて自分のためにこんな事を……!こんなの、友達失格だ…!!






1人の剣道家は悔いた。
ゾロ
ゾロ
あの時、"あいつ"にトドメをさせていたら…こんな事にはならなかったはずだ…!








1人の院長は嘲笑った。
ロー
ロー
はっ………仲間同然なのに、音夜のことより自分優先か……ははっ……"あいつ"に逆らえねぇとは、衰えたな…







1人のしろくまは泣き喚いた。
ベポ
ベポ
うわーん!"あの人"に言われるがまま、こんな事しちゃったぁぁぁ!!!俺、なんて酷い熊なんだァ!






1人の助手は嘔吐した。
シャチ
シャチ
うぐぅぅぅっ……!!くそ……!"あいつ"に手ひとつも出せねぇ俺なんて…!う"っ!!!








1人の副院長は自傷した。
ペンギン
ペンギン
ザクッ……はぁ、はぁ………。"あいつ"に付けれなかった傷を…こうやって自分に付けてんだよ…わりぃか?ザクッ…






1人のナースは落胆した。
イッカク
イッカク
どうして…愛する音夜より"あの人"の命令に従ったんだろ……もう、嫌だわ……。死にたい………






1人の花屋は興奮した。
キッド
キッド
音夜の悲しみや絶望に満ちた顔が見れるってだけで幸せだ…!"あいつ"には感謝しかねぇぜ!








1人の従業員は困惑した。
キラー
キラー
"あいつ"をぶっ殺したい。でもキッドの希望に満ちた顔を見ると……。……どうする事が正しいんだ…?







1人の教師は納得した。
スモーカー
スモーカー
何が悲しくて"あいつ"の命令なんざ聞かなきゃならんのだ…!…だが、自分の命のためには…仕方の無いこと、だよな…









そしてまた、1人の青年は嘆く。
虎銀音夜
虎銀音夜
記憶が無い…ただそれだけで…たくさんの人が離れていく
虎銀音夜
虎銀音夜
大好きな人も、友達も仲間も全部!!
虎銀音夜
虎銀音夜
なぁ、ねこリン
ねこリン
ねこリン
…はい。
虎銀音夜
虎銀音夜
……○○○○○。
ねこリン
ねこリン
!!!




ーこれは、1人の青年と1匹の悪魔猫が記憶を呼び起こすために奮闘する物語。ー







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虎銀音夜
虎銀音夜
次回、Memories
「何気ない」

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