まふまふside
あなたの目は少し怯えていた。
やっぱり、もう僕の事なんて嫌いになっちゃったかな?
そう思いながら、あなたを遊びに誘う。
そして、あなたの手を引く。
………
そう言って、二人でクレープを買う。
あなたは、覚えてないかな?
ここは昔僕とあなたの二人で来て、
また来ようねって約束した場所なんだよ。
そう言って、口にクレープを頬張るあなたはとても可愛くて
なんて思ってしまう。
そう思い、クレープを口に頬張る。
僕がクレープを差し出すと、あなたは昔のように僕のクレープを少し食べた。
意識すればするほどに顔が熱くなる。
そんなことを考えていると、
とあなたが声をかけてきた。
どういうこと?
その言葉を聞いた途端に心臓がさっきとは違う意味で
バクバクする。
あなたは驚いているようだけど、
今は、そんなことも考えられない。
嫌だ。嫌だよ。あなた。
嫌いにならないで!!
君に嫌われたら、僕は生きていけないよ…!
そう、あなたは言う。
大好き?こんな僕を……?
こんなどうしようもない僕を
好きでいてくれるの………?
あなたとハグをする。
そして思わず、涙腺が緩む。
久しぶりにハグしたあなたの腕の中は
昔と変わらず暖かかった。
そして、思わず、泣いてしまう。
本当にごめんなさい。
あなたは僕から離れてしっかりと
僕を見つめてくる。
その瞳はとても心配そうに揺れていた。
その言葉を聞いた途端に僕の中のなにか大きなモヤがとれた気がした。
あなたはそんなに僕たちの事思ってくれてたんだ。
でも、僕はまた明日から君に冷たくしないといけない…
でも………
僕は力なく笑いながら
そう言って、あなたの方へ顔をあげた。
僕はそれだけ言って、あなたの元から
走り去った。
という強い決意と共に。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。