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第76話

胡蝶蘭【まふまふ】
回想side
物心着いた時から、私の親は仲が悪かった。
毎日毎日、怒号が飛び交っていて
二人とも、私の事なんて一切見ていなかった。


小学校に入った頃、
両親は私に手をあげるようになった。
殴られて私が泣くと、

メソメソするな、
なんで産まれてきた

って叱られた。
小学校二年生の頃、母がとんでもないことを言い出した。
『気の弱そうなやつを虐めてクラスメイトの上に立て』
と、

言われた通りに私は、
弱気なまふまふ君に狙いを定めて
嫌がらせを始めた。
陰気で引っ込み思案な私は、母に逆らえなかった。
けれど、すぐに虐めはバレた。
あなたちゃんとそらる君が
まふまふ君の事を庇ったから。

事は大きくなって、
先生に虐めの内容、主犯が私だった事、
全てバレた。
先生との話し合いの結果、結局私は転校することになった
この事で、親の暴力は更に酷くなった。
熱いフライパンを押し当てられたりした。
お前のせいで無駄な金がかかる
どうしてくれるんだ

と言われた
全部全部お母さんが言い始めた事なのに。

でも、虐めたのは私だから私が悪い、
きっとそうなんだと思った。
新しい学校では友達もできて毎日が楽しかった。
でも、今度は父がおかしな事を言い始めた。
『気持ちが悪いからクラスで飼っているカエルを殺せ』
と、
ケロ助とケロ太って名前をつけて
皆で可愛がっていたカエルだった。
私も、ケロ助とケロ太が大好きだった。
でも、逆らえば
私が殺されるかもしれない。
私はケロ助とケロ太を殺した。
悲しくて悲しくて、
ごめんねごめんねって泣きながら
土に埋めてお墓を作った。
次の日、私は二匹を殺したことがバレた。
監視カメラに映っていたらしい。
私は危険人物として、
学校を止めることを迫られた。
また、転校することになった。
大好きな友達とも離れて、また一人ぼっち。
両親は、私の事を

でき損ないだ
失敗作

と言うようになった。
転校先の小学校では、
なるべく見立たないように過ごした。
両親はおかしな事を言うことはなくなったけど、
私の人生で一度の小学校生活は、とても楽しいとは言えないものになってしまった。
そして中学。

親に、
もう中学生なんだから自分で金を稼げ
と言われた

中学生なんだから、バイトもできないし、お金なんて稼げない
と言ったら

うるせぇと言って殴られた。
そこで私の中の何かが切れた。
バイトができないなら体を売ってお金を作るしかなかった。
私は、売春に走った。

私みたいなでき損ないでも体を売れば沢山のお金を作れた。
両親は、私の事を初めて誉めてくれた。






でも、先生にホテルに入るところを見られてしまい、私はまた退学になった。
何度目の転校だろう。
退学になった事で、両親の態度は元に戻った。

やっぱりお前はどうにもできない
売春に走ったクズだ
と綺麗な手のひら返しをされた。
もう、嫌だ。
誰かに愛されたい。
新しい中学に入った頃、
ネット上で素敵な男の人と出会った。
ネット上とはいえ、私の事を初めて愛してくれた人だった。

私はこの人の事が好きになった。
その内、家が近かったこともあって
二人で頻繁に会うようになった。
初めて本気で誰かを好きになった。
こんなに夢中になれるのはこの人しかいないと思った。



いつもの様にその人とあったある日、
私は自分の思いを打ち明けた。
本気で好きなこと。
付き合いたいこと。
ネット上でも、現実であった時でも、
彼は私の事を好きだと言ってくれた、
愛してると言ってくれた
でも、彼はこう言った
ごめん俺彼女いるし、
ネット上なのに本気になるとかキモいわ
って。
心がポッキリ折れた。

やっぱり私は誰にも愛されないんだ。
その日の夜は学校のグループラインの通知が鳴り止まなかった。
たまたま居合わせたクラスメイトが、私と彼が会っているところを写真に撮っていたみたいだ。
その日から数日、私の噂が広まるのは一瞬で、先生にもその噂は届いてしまった。
私は、先生に転校することを勧められた。
このまま噂のせいで虐められたら大変だから
とか先生は言ってたけど、
きっと違う。
本音はこう。

めんどくさい。
手間がかかりそうな奴は出てけ

その証拠に、私を見る先生の目はとても冷たかった



この頃にはもう、両親は私に無関心になっていた
そんな中、無事に……とは言えないけど
中学を卒業してこの高校に入学した
そこで、初めて一目惚れというものをした
隣のクラスの男子。
茶髪で目はくりくりしていて、
色んな人の手助けをしてて……
知れば知るほど好きになっていった
ウジウジしていても仕方ないと思い
私は勇気を出して告白することにした
萌子
萌子
天月君!!
私、天月君の事が好きです!
付き合ってください!
でも、答えは……
天月
天月
えっ………ごめん
気持ちは受け取っとくね!
ありがとう
NOだった。
萌子
萌子
………理由、聞いてもいいですか?
理由を聞きたかった。
それで傷つくとしても、天月君の事をキッパリ諦めるために。
天月
天月
僕、好きな子がいるんだ
あなたちゃんって言うんだけど……
萌子
萌子
あなたちゃん……?
小学生の時、
クラスメイトだったあなたちゃんと同じ名前だと思った。
その次の日、興味本意であなたちゃんを見に行った。
天月君がどんな子が好きなのか、シンプルに気になった。
あなた
あなた
………
肩を落とした。
こんな可愛い子、勝てるわけがない。

高校に入ってからは、自分の大嫌いな顔を少しでも変えるために濃いめの化粧をしていた。
体型にも気を使うようになった。
それでも、
元が美人な子には勝てないんだなと、知らしめられたような気がした。
その日の夜は、声が枯れるまで泣いた。
だって、悲しかったから。
理由はよく分からないけど、悲しかったから。
その次の日の朝。
母がニコニコした顔で話しかけてきた。
あんたと同じクラスのまふまふ君って
知り合いにお金持ちがいるみたいね?
張り付けたような気持ち悪い笑顔だった。
ねぇ、まふまふ君の事、気にならない?
そう言われた。
お金目当てなのが見え見えだった。
だから、
私には好きな人がいること、まふまふ君には興味がないこと
全部話した。
そうしたらお母さんは鬼のような顔をして、

何してでもまふまふ君と付き合いなさい

と言ってきた。
悔しかった。

私の思いを聞いてもお金を優先することが。

天月君への思いを踏みにじられたことが。


私の想いも知らないで、
お金の事しか眼中にない母親が
憎かった。
それでも私は、逆らえなかった。
怖かったから。
母の言う通りに私は、まふまふ君に近づいた。
それでもやっぱり、まふまふ君の事は好きになれなかった。
本当は天月君が好きだから。




ーーーー





まふまふ君には彼女がいた。

天月君が好きなあなたちゃんだった。
泣きそうになった。
複雑すぎて、頭がこんがらがった。
とりあえず、母にまふまふ君には彼女がいることを伝えた。
すると母はおかしな事を言った。
話の内容は、

私だとバレないようまふまふ君のストーカーをしてまふまふ君を怖がらせた上でその彼女を脅してまふまふ君と別れるよう言う。
ストーカーの驚異にさらされている上に、彼女にフラれたまふまふ君はどん底に落ちる。
そこで私が手を差し伸べてまふまふ君が頼れる人は私だけだと錯覚させる

というものだった。
つまりは、彼女とまふまふ君の仲を無理矢理引き裂いて、
まふまふ君を騙して付き合うと言うことだった
嫌だった。そんな事したくなかった。
それでもやらなきゃ私が何されるか分からないから、
だから私は、泣きながら母の言う通りにした。
そして、今に至る。