第26話

恋の充電47%
3,277
2019/05/27 22:30
まふまふside
先生
はい。それでは、次まふまふさん。
まふまふ
まふまふ
………はい。
小さく返事をして前に出る。
すると聞こえるみんなの声。
モブ
モブ
え、ねぇ。まふまふさんって、人見知りか何か知らないけど、ずっと喋らない人だよね?
モブ
モブ
うん。そうだよ。
歌えるのかな?w
モブ
モブ
無理じゃね?w
そんな声を聞くだけで吐き気がしてくる。
まふまふ
まふまふ
(………怖い。)
そう思いながらあなたの方を見る。
まふまふ
まふまふ
…………!!
あなたは、じっと僕の方を見据えて
静かに僕が歌い出すのを待っていた。
まふまふ
まふまふ
(あなたが僕の歌を待っててくれてるんだから………頑張れ僕!!)
そう決心し、喋り始める。
まふまふ
まふまふ
僕が選んだ歌は、一人では歌うことのできない曲です!
なので、僕は今そこにいる助っ人の方と歌おうと思います。
そう言うと、そらるさんが音楽室の裏から出てきた。
そらる
そらる
どうも、こんにちは。
それと同時に先程よりも大きな黄色い声。
モブ
モブ
キャー!!!!!
モブ
モブ
え、まふまふさんって生徒会長様とどういう関係!?
モブ
モブ
ヤバい!ヤバい!ヤバい!ヤバい!!
先生
はい!皆さん静かにー。
そう先生が言うと女子達の声が静まる。
先生
はい。まふまふさんと、そらるさん、続きをどうぞ。
そらる
そらる
ありがとうございます。
まふまふ
まふまふ
僕達は、一人の女の子に恋をしています…!
そらる
そらる
でも、その恋はしてはいけないものでした。
まふまふ
まふまふ
してはいけないと分かっていてもこの気持ちは止まらなくて……
そらる
そらる
この恋の解き方を誰かに教えてほしい……
そんな思いでこの曲を選びました。
まふまふ
まふまふ
聞いてください…!!
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
恋の始まる方程式!
曲が流れ始める。

歌い出しは僕から。
………頑張れ、僕!!
まふまふ
まふまふ
解いたら結べない
そんな距離感が怖くて
まふまふ
まふまふ
臆病なネクタイと掛け違えたボタン
そらる
そらる
曖昧な気持ちに
色を入れたのは春先
そらる
そらる
制服の裾を直し振り返る君だった
まふまふ
まふまふ
不安未満の穴ひとつ
そらる
そらる
群青色の空が広がる綻び
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
好きになっちゃいけないんだ
それは恋が始まる方程式
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
消しゴムでこすれない
まふまふ
まふまふ
思い出には
そらる
そらる
いつでも
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
君がいた事に
まふまふ
まふまふ
気づいた
そらる
そらる
買い足したはずでも
赤いクレヨンだけなくて
そらる
そらる
この気持ちは何だっけ?
名前は何だっけ?
そらる
そらる
透明なままにしていた
まふまふ
まふまふ
もしもばかりを数えては
まふまふ
まふまふ
過ぎ去る今日と
まふまふ
まふまふ
書き込めずいる問一
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
足し引きじゃ治まらない
心は最難関のテスト
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
口に出す一秒で
まふまふ
まふまふ
「これから先」
そらる
そらる
「これまで」
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
変えてしまうなんて
そらる
そらる
他愛ない話が響く放課後
夕日を手招く静寂とカーテン
まふまふ
まふまふ
何気ないことに脈打つ心
きっとボクも知らずに
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
あの日から恋していたんだ
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
教科書には記されない
まふまふ
まふまふ
この問いだけの
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
回答
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
好きになっちゃいけないんだ
それは恋が始まる方程式
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
解答のわからない
まふまふ
まふまふ
思い出には
そらる
そらる
いつでも
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
君がいた事に
そらる、まふまふ
そらる、まふまふ
好きだって事に
まふまふ
まふまふ
気づいた
音楽が鳴りやむ。
それと同時に先程よりも大きな拍手と
黄色い声。
パチパチパチパチ!!!!
モブ
モブ
え、まふまふさんって
あんなカッコ良かったの!?
モブ
モブ
生徒会長様カッコいいーーー!!
モブ
モブ
好きな人って誰なんですかーー!!
そんな声を無視してあなたの方を見る。
そらるさんもあなたの方を見ているようだ。
あなたは、一人
席に座り、嬉しそうに微笑みながら
拍手をしていた。
そしてその隣には、
まふまふ
まふまふ
…………?
いつも一緒にいる女友達ではなく
うらたぬきさんと坂田さんが座っていた。
先生
はい。まふまふさん、そらるさんありがとう。
次、あなたさーん!
僕のそんな思考は先生の声によって
遮られた。

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