まふまふside
仁王立ちするそらるさんと
正座している萌子さん。
萌子さんの目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
頭を床に擦り付けて、
大きな声で謝罪する萌子さん。
僕に対するまふ君呼びは、
すっかり消えていた。
たっぷりそらるさんの鬼のお叱りを受けて、
萌子さんは改心したように見えた。
天月君はさかたんの治療を受けながら
萌子さんを睨んでいる。
口調も変わって、普通の女の子の様になった萌子さんは、
本当にさっきまで暴れていた子と同一人物なのかと疑うほどに大人しくなっていて…
こんな事思っちゃいけないとは思っていても、
少し可愛そうだなんて思ってしまう。
あなたも僕と同じことを考えてたんだろう。
あんな事されて許さない方が正しいのに、
天月君に許してほしいと頼んでしまう。
天月君がそう言うと同時に萌子さんは、顔を輝かせる。
………さっきから見ていて思ったけど、萌子さんって天月君の事……?
まさかね
なんて思っていると
さっきまで黙っていたうらたさんが口を開いた。
全員の視線が萌子さんへと向く。
確かに見ている限り、
根はめちゃくちゃ悪いって訳ではなさそうで、
何でこんなことしたのか僕も疑問に思っていた。
この後話される話の内容は、
この時の僕には想像もついていませんでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。