もう、あの子と会わずに1年も経っていた。
地面にはあの日と同じような 雪 がたくさん散りばめられていて、歩くとシャリシャリとした後が耳に入る。
ある本の著者は言っていたかな。
月や星を地上から見た時に、その月や星がその日みた位置にあるのは、今日という1日だけなのだと。
この話を聞いた時、ふと疑問に思うことがあるだろう。
それじゃあ1年後、また同じ場所で同じような星が出ていたなら?って。
でもね、同じ位置に、同じ日に出た星は確かにあるかもしれないがそれは 1年後 の話になってしまう。
つまり、今日の顔で、服装で、心境で見れる星っていうのは 今見た星 しかないのだと。
最近読んだ本の中で1番説得力のある本だった。
俺が好むような本はある意味道徳的に物事のありさまを教えてくれる。
例えば、太陽系の惑星の特徴、衛星がその天体にいくつあるのか、または、その国の行政だったり法律だったり……
まあ、その中で俺が1番好きなのが星の話ってだけ。
前に俺が読んだ本の中にこんな小見出しを見つけた。
"太陽系の惑星から外された存在 冥王星"
俺も学生の時はこの話を少しだけ聞いたことがあった。
でも、なぜ彼は外されなくてはならなかったのか、それを道徳的な意味で知ったのは最近で。
やっぱり星も人間のようなスクールカーストがあるのだろうか。
だとしたら冥王星は、、なんて考えてしまう。
でも、よくよく考えてみれば俺は 冥王星 と同じなのかもしれない。
あの子 と 僕の関係のようにあるのなら、、の話だが。
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しばらく歩いていると、街の大通りに入る。
クリスマスソングが街中に響き渡っている。
クリスマスケーキの予約を促すような張り紙がたくさんあるが、俺はどうせ1人だからなにもせずにクリスマスなど終わるだろう。
そんな俺の前にある1人の女性が姿を見せた。
その女は言う。
「元気にしてた?」
俺は
🐨「変わらず元気だよ。」と言ってスタスタと歩く。
なぁ、今頃現れて俺に 元気 かどうかなんて聞くなよ。
それじゃああの時のお前に聞かなくちゃいけないじゃないか。
あの時 君はどうしてあんなことをしたの?
ってさ。
もう限りなく遠くなってしまった 地球 と 冥王星 の関係のようであってないといけないんだ。
俺は君が1年いなかったぐらいで病むようなことはなかった。
でも、俺はそんな君が頭の中でぐるぐるとまわっている。
こんなのおかしい。
冥王星、、それはまだ名前がなく仮名といって良いだろう。
冥王星は名前がたくさんある、冥王星型天体、Pluto、134340、、
俺にはどれが似合うだろう。
君は本当に Eris を見つけられただろうか。
俺は相変わらずお前の周りをぐるぐるまわっているような、ただ名前のないような天体のような奴なのに。
君が地球という天体なのであれば、君が変わるのは 1日 だろう?
俺は変わるのに一生分を使うみたいだ。
いや、それ以上に 公転周期 や 自転周期が長いから俺が生きているうちに君を忘れるほどかわれるような奴じゃないんだな。
かつては太陽の世界の一員だった 冥王星。
それは、俺に合いすぎていて
冥王星がまるで 自分 のようにも思えるんだ。
俺のような天体に近い 海王星 はとっくに天王星との関係を持ってしまったのだろうか。
どうか俺をひとりにしないで _____ .
俺はただひとり、お前のことが忘れられないだけなんだ。
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時に天体と人間の関係というのは天秤にかけた時に平等になることがある。
例えば 天王星 と 海王星 、それはとても似ている。
肉眼からみた見た目も似ている、どちらがどのぐらい青いかによって見分けがつくぐらいだから。
似すぎているあの2つの天体は果たしてお互いを親しみをもっているのかそれとも、、
似ているからこそ 嫌 なのか。
………まるで どこかの姉妹 の話みたい
なんて、それは冗談です笑
このように、平等に考えてみれば私は 冥王星 の方が好きなんです。
だって 冥王星 には 冥王星 にしかない特徴をもっている
決してどの天体にも勝ることができないような特徴を………
END.
少し私の趣味に偏ってしまうようなお話になってしまいましたが……
受験生が読むにはいいかもしれません((は
冥王星、、泥団子みたいと最初は思っていたけれど とても魅力がある天体です!!
是非 原曲を聴いながら読んでみてください💓🐇
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!