『ねぇ てひょん!』
僕の隣に今いる彼女は 僕の 幼馴染。
いつも隣で笑いあって、泣いて
辛いことがあれば気持ちを共有したりした。
僕はそんな彼女と好きな人の話は一切しなかった。
そんなある日
『てひょんってさ、、』
🦁「うん?」
『好きな人……とかいたりする……?』
突然の彼女からの問いに惑ってしまい
🦁「ん〜、いないかなッ!笑笑」 なんていつもみたいに笑ってみた。
すると
『そうなんだ!私ね、、』
『最近いい感じの人できた』
なんて照れ笑いしながら行ってくる あなた。
そんなの聞いてない、、
僕の知らない あなた がいるみたいで嫌だった。
確かに今まで全てを包み隠さず言ってきた仲だったからそこまでこだわりなんてなかった。
つるむ相手も………
” 相手の好きな人も ”
でもどこかで思っていた
” きっとあいつも俺の事が好きなんだろう ” って
” 相思相愛 ” なんだろうと
でも決してそんなことは無く、最初から決まっているような 少女漫画 のような結末なんて
” 当たり前 ” じゃないんだと言うことを実感した。
そして月日は流れて
『てひょんッ!』
なんて僕のことを呼ぶ頃には、 彼女の隣にはもう僕も話したこともないような いわゆる ” 彼氏 ” がいるわけで
🐭「こんにちは。」
なんて相手側も挨拶してくる。
僕がつるんだこともないような人。
きっと あなた の先輩。
恋の話なんてしたことも無かった僕達はお互いの好みの異性の性格からすべてすべて……
お互いが無知すぎたんだ ____
僕は相手の彼氏さんに
🦁「こんにちは。」 とだけ挨拶して
校舎を後にした。
玄関まで来てみれば 今まで涙線に溜まっていた涙が頬を次々とつたい号泣していた。
自分でも なにがなんだかわからない 。
でも、必死涙を手で拭いながら
あぁ、僕はちゃんとあなたのことが好きだったんだ って
あぁ、ほんとに馬鹿なのかな………
こんなに辛くなるんだったら もっと早くに伝えていれば良かったよ
ようやく落ち着いた頃、やけに大きい夕日をバックに
🦁「大好き………でした……」
そう言ってまた自分の鞄を持ち歩き出した __
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!