第209話

CLOSER. YG.
230
2019/04/01 06:03



「 やぁ、ちょうど君と出会う前は上手くやっていたんだ。

確かに酒を飲みすぎることは問題だったけど、別にいいでしょ?笑 」




そんな口説き文句、俺はいったいどこで覚えたんだろうか。


なにか他のものに影響された訳でもなくて、自分がよく聴く曲にも、たまたま開いた曲にもそんな歌詞はないのに



何故かふいに君と出会った時に口から放たれた言葉。



今、その発言を振り返り4年後の俺は言う。



🐭「なかなか痛い言葉だな笑」



なぁ、君は最近俺とあった。



聞けば、友達に 会えて嬉しかった だなんて言ってたみたいだ。



でも、願わくば俺は二度とゴメンだね。


俺は分かってるよ。君は傷ついて壊れかけの車でこの街を出ていったことだって



そして、今、4年も連絡のなかった君が ホテルのバー で綺麗に怪しく光見えるんだ。



それは、俺を大きく飲み込むように誘う。



これだから 俺はダメなんだ。



だから近くまで引き寄せてくれよ。



もっと もっと 浸って溺れるみたいに。


こうして俺は後部座席へと移動する。


俺は知ってる。



金に余裕が無いってことぐらい。



君の肩にある蝶のタトゥーに口付けでもすりゃ、君が盗んできたマットレスの角からシートを引き出してみれば


あれは元々ボルダーにいた頃のルームメイトの奴だっけ



俺達は全く歳を取らないな



またあの頃の俺らが戻るように



いや、もしかしたらお互いが望んでいたのかもしれない。



🐭「ははッ笑 お前、全く変わんねぇじゃん」



なんて怪しく笑えばもうそこに 4年後 の俺なんていう古臭い肩書きは無くなった。



『私達、全く変わらないわね。』



なんてお前は言う。



そうだよ、俺達は全く変わらない。



そう確かめあった次の日の朝。


まだ寝ている俺にお前はこう呟く。



『ねぇ、私あの時なんで去っていったんだろうね……忘れちゃったわ笑』



『おかしいよね……』



『自分の事なんて、自分が1番分かってるはずなのに……』



『ねぇ、ここにいてよ。』



そう言い、前髪にそっと触れるお前の少しだけ暖かい手先。



そういえば、お前も 音楽 関係の仕事をしていたんだっけ。



あの、一昔前ぐらいに一緒に耳が受け付けなくなるほど弾いた Blinkー182 の曲。



ツーソンの街で死ぬほど弾いたあの曲。



きっと今弾けと言われても体が覚えているはずだ。



少し過去の夢を見るように過ぎるお前との話。



そして、そんなお前は俺になんて構わずにまた呟くんだ。



『分かってるよ。君があの後傷ついてたことだって、私が貴方を傷つけた事だって。』



『でも昨日、そんなあなたがホテルのバーにいた。横顔が綺麗に私のグラスに反射していたの』



『やっぱり私達は……』



🐭「全く変わらない、だろ?笑」



俺は触られていた手先を一旦止めるように言う。



『!!』



『起きてたんだ』



🐭「とっくに笑」



『そういう所も変わらないね笑』



🐭「なぁ」



そして、あの日からちょうど 4年後 のなんにも変わらない俺は言うんだ。



🐭「関係だって、全く変わらねぇだろ?」






END.


みなさんは洋楽、聴きますか?


最近よく洋楽も聴くんですけど、洋楽の中で1番好きな曲と言っても良いくらい好きな曲です。


CLOSER と いう曲なんですけど、是非みなさんも聞いてみてください!!



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