やっぱり君はもう、僕の目の前に現れることはなかった。
しかし、代わりに、眠っている あなた はずっと見られるようになった。
僕は今、みんなが泣いてる中僕だけが表情管理が出来ていなかった。
その日が終わり、朝が来る、そしてまた夜が。
このサイクルはどうやら変わらないみたいだ。
僕の中ではまだ いつかの日 の祭りの日のままなのにね。
時間だけが過ぎていく、僕を置いてってるみたいに
僕だって 連れてってよ
もういっそのこと
君が暗い道を1人で通っているんだ。
そんなのダメだ。
一人で大丈夫かな
街頭に照らされて 影ができている。
一人ぼっちの影が。
僕の前、ずっと前を1人で通っていく影は紛れもなく君のもので
それは僕を遠ざかっていった。
完全に 夜が滲んでいく。
泣いちゃダメ
泣いちゃダメ
でも ほんとは言いたいよ
「 僕を置いていかないで 」
end.
《一応解説.》
いかないで=逝かないで
街頭に照らされて=天国への道
最終便=あの世への道
寝ている姿をずっと見ていられるようになった=亡くなった
まぁ、要するに、じみな に 心配をかけたくない、病気持ちの彼女 と 薄々気づいていて心配していた じみな の物語です。
このようなケースは稀に起こることではありません。
いつ、どこで、あなたの大事な人がこうなるかなんて誰もわからないんです。
貴方の大事な人を 大切にしてあげてくださいね。
いつこうなっても悔いのないように。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。