ソファーの上でぼーっとしてる間にどのくらい経ったのだろか
お母さんの声で我に返った
時計は既にお昼を回っていた。
そういって、お母さんはせっせとおかゆを運んできた
気だるい体を動かして、1口レ分をンゲによそって口に運ぶと
“おふくろの味” そんな言葉がしっくりくるような温かさに包まれたような味が口の中に広がった
むしろ自分では強い方だって思ってた、
ほら、なんとかは風邪ひかないって言うでしょ??
あれってほんとだよね、笑
そう、そのもしかして。
私も実は考えたりしてねえ、
“妊娠”と遠回しに言ってるのだろう
でも、これがもしそうだったら??
私は素直に喜んでいいのか、
何より1番は慧
慧はどう思う??私たちの間にもし子供ができたら、
まあ、こわばるのも無理ないよね、と自分で自分に言う
はーい、と明るい声で席を立つとお母さんは早速病院に電話をしに行った
するとどこの部屋からか
“もしもし〜?”というトーンの高い声が聞こえてきた
私は残りのおかゆを急いでかきこんで
これから婦人科に行くという不思議な気分に浸っていた
するとまもなく、時間は3時を回ろうとしていた
ソワソワする胸を抑えて家を出る
お母さんと二人並んで歩く
お母さんは私を見てふふ、っと微笑む
タレ目が慧にとっても似てる
何分歩いたものか
もう目の前には、婦人科がたっていた
私の背中をぽんぽんと叩いて、お母さんは明るい声をかけてくれた
ぽんぽんというか、ばしばしというか、とにかくこれがきっとお母さんなりの優しさ
入って間もなく、私の名前が呼ばれる
中では女性のお医者さんと看護師さんが待っていた
キリッとしてかっこいい女性のお医者さん
支持されたらベットに横になる
さっきから目が合う度にニコッと笑ってくれる看護師さん
なんか、すごく安心する
それからしばらく、目をつぶっていたら検査が終わった
なにやら紙を持ったお医者さんと、向かい合って座る
私が両膝に手を置いて、前のめりになっていると
クスッと笑われた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。