ソファで、携帯をいじってると思ったら立ち上がって、私に画面を向けてきた
私たちが付き合い始めた日に撮った写真
2人とも今よりちょっと若い顔をしてた
懐かしいなあ、5年前くらいだね
私たち出会いがとっても不思議でね..笑
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その日は、3つ上のいとこのお兄ちゃんと、おばあちゃんの誕生日プレゼント買いに来てた
11時に東京駅約束したのに
今11半だよ?!?!私時間にルーズなんです
30分くらい待たせたであろう、いとこを見つけ、走り込んで肩を叩く
やばいです、大ピンチです
振り返ったのは、いとこじゃなくて、全然知らない男性
ポカンと、口を開けて驚いている
それもそうだよね、知らない人にこんなこと言われたら
パニック状態でどうしたらいいかわかんなくて、その場とオドオドしてたら
いとこがこれまた不思議そうな顔をしてこっちに歩いてきた
私と、知らない男の人と、いとこと
不思議な空間ができてしまった、
いとこは、私から、男の人に体の向きを変えて、ペコペコ謝ってた
すると、その男性は
へへっ、と笑って
なんて心の広い人なんだろう
2人は顔を近づけて、コソコソ話してた
Hey! Say! JUMP?伊野尾さん?
Hey! Say! JUMPって、あのジャニーズの??
伊野尾慧さん??
Hey! Say! JUMPは、知ってるけど、伊野尾さんって知らないな、、
メンバーさんってこと??
私、ジャニーズ詳しくないんです、
Hey! Say! JUMPはこの前歌番組に出てて、初めて知って覚えたんですよだからわかるの
今度、Hey! Say! JUMPテレビで見かけたら伊野尾さん探してみよ
いつとこんなんじゃないのに、礼儀正しくなっちゃってえ、笑
なんか笑えてきた
私がくすくす笑ってると、
伊野尾さんもつられたのか笑っていた
置いてかれちゃ困る、
そう思って私も行こうとしたとき
伊野尾さんに手を掴まれた
初対面の人に連絡先を交換しようだなんて、すごい勇気だなあ、と思った
ましてや、私はただの一般人
特別可愛いわけでも、オーラがある訳でもないのに
この時なんかね、自分でもこんなことしちゃうなんておかしいなって思ったけど
なんか、、これ逃したらダメな気がして
断る気が全く起きなくて連絡先を交換した
そう言って 、私たちは別れた
その日から、連絡を取るようになり
2人で出かけることもしばし
私はすぐに慧のこと好きになった
慧は、懐かしそうにそう言う
告白はね、慧からだったんだ
そう、告白は慧の家だった
その日は、まだ“友達”として、借りたものを返しに来てただけだった
あの時は急に抱きしめられるもんだから
びっくりしちゃって、でもすごいドキドキした
そしたらね、慧が耳元で
“好きだよ、”って
何年も前のことなのに、まだ昨日のことのように鮮明に覚えてる
だって、嬉しかったんだもん、ずっと片思いだと思ってた
友達でもいいからそばにいられればいいな、って
まさか、両思いだなんて..思わないよ笑
慧は、意地悪に言う
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。