第52話
ハッピーエンド
慧は私を抱きしめる力を強めた
私が泣きそうな声で言うと
慧がよしよし、と背中をさすってくれた
情ない、慧にはこんなこと絶対に言ったらダメなのに、
そんなことを思えば、思うほど慧の優しさが心にしみて
涙がどんどん出てくる
ここまで来て泣いてないと言い張る自分の馬鹿さに自分でも呆れつつ
やっぱり、慧にはバレたくなかった
慧はこんな時でも慌てずに
とんとん、と優しく私の背中を叩いてくれる
さすが、扱いが慣れてるよね、笑
私も、もうさすがに折れた
諦めて、泣きながら慧に体を預ける
慧はそう言って笑うけど
それが照れ笑いだってことくらい
私にはお見通しだよ??
そーやって、自分で言っちゃうあたり
大好きなんだよね
私って泣いたら、鼻とか目とかすぐ赤くなっちゃうタイプだから
ほんとは顔見せたくなったけど
まあ、慧ならなんだっていっか笑
私はいわれた通り顔を上げたら、
案の定
慧の甘い唇が降ってきた
カプって、私の唇食べられちゃった
今日は甘えたさんですかね??
にやけるよそりゃ
何回されてもやっぱり、嬉しいもん、
もっと、と催促すると
しょうがないなー、って慧がまた口付けてくれた
もっと、もっと、深いやつね
何があっても
慧が絶対
私たちを幸せにしてくれるから、大丈夫だよねー??
安心して、子供を産めそうです
3人で世界一の幸せな家族になろうね??
「伊野さんの嫁やってます。」
ーENDー