第36話

❄️
1,473
2021/05/12 12:59

テヒョンside





控え室に入ると、ジニヒョンが寝ていた。










疲れてるんだろうな…。










その寝顔がすごく、綺麗で儚く見えた。










いつか、消えてしまうんじゃないか。










僕たちの手で、消してしまうんじゃないか。










そう思うと、急に不安になってきた。










ジニヒョンの存在を確認するために、ジニヒョンに近づいて、その綺麗な顔に触れてみる。










あ、ちゃんと、いる。










ちゃんと、存在してる。










良かった。




リョウ
リョウ
おい、何して…。
ジン
ジン
んぅ……ふぇ?
ジン
ジン
て、てひょな?





やばい。










これはやばい。










マネがいる前でジニヒョンに近づいてしまった。










ダメとは言われてないが、今の雰囲気で分かる。










きっと、マネは怒ってる。










それに、ジニヒョンを起こしてしまった。










いつも通り、冷たい対応を取らないといけないのに。










今の状況だと、誤魔化しにくい。










このままでは、本当にやばいことになる。










焦りに焦った僕が、何もできずにいた時だ。




ジン
ジン
ん、てひょな…。





焦りすぎて、どうすればいいか分からなくて、そのままにしていた自分の手に、ジニヒョンがすり寄ってきた。




テヒョン
テヒョン
へ…?





寝ぼけているのだろうか。










何にせよ、ジニヒョンが自分から近づいてきてくれたのが嬉しかったんだ。










そんな僕を見ている、背中に突き刺さる視線が痛いけど。










ジニヒョンは、拒まれなかったのが嬉しかったのか、更に僕に近づいてきた。




ジン
ジン
てひょなっ、





僕の名前を呼びながら、抱きついてくるヒョン。










そんなヒョンの体は、小刻みに震えていた。










その行動が、何故か健気に見えて、心がぎゅっと締め付けられる感じがする。










僕も抱き締めかえそうと、ジニヒョンに手を回した時、




リョウ
リョウ
テヒョナ。





マネが、低い声で僕を呼んだ。









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