第4話

頼み
今知った事が

実際に起きたという事

今目の前にいる人物に

実際に起きたという事。
麻倉 夏恋
麻倉 夏恋
父親に…。
南 咲栩
南 咲栩
つぶされた、
そう言って

1滴のなみだを

静かに

床におとした。

私はもう何も言えなかった。
少し経って

南君が口を開いた。
南 咲栩
南 咲栩
なあ!頼みがあるんだけど
頼み。

死んでしまった人からの頼みって

なんかとんでもない事だったら

どうしよう。




いや、南君のためだ。

どんな事でも叶えてあげなきゃ。
南 咲栩
南 咲栩
お前も死のうよ
……………。
麻倉 夏恋
麻倉 夏恋
振り向いた南君は

冷たい目で私を見てきた。


それは、どういう事?
南 咲栩
南 咲栩
あっはっはっはっは笑笑
なんだ。今度は笑い出したぞ。

漂うサイコパス感。

殺すなら殺せこのやろー。
南 咲栩
南 咲栩
うそうそ。死ねなんて言わないよ。
こんなにむかつく嘘は初めてだ。
南 咲栩
南 咲栩
会ってほしい人がいる。
俺の親友なんだけどねー。
結構な堅物だから大丈夫かなあー
麻倉 夏恋
麻倉 夏恋
高峰君?
南 咲栩
南 咲栩
あーそう。さっき言ったか。
その堅物に私が挑めと。

南君は笑顔でこう言った。
南 咲栩
南 咲栩
俺はもう何も伝えられないから、
全部言ってほしい
麻倉 夏恋
麻倉 夏恋
なんでそんな笑顔なの?
いや今のセリフは悲しそーにつぶやくようなとこでしょ?
何をそんな笑顔で叫んで、
思わずつっこんでしまって

南君はそれにまた笑った
南 咲栩
南 咲栩
お前面白いなあ。
よし、大丈夫だ。
お前ならなんとかなる。
どっからその根拠見つけたんだよ。
気がつけば

窓からオレンジの光が差していた

この日の夕焼けは

いつになく綺麗で

透き通っていた。
死んだ人と他愛もない会話をして

笑っていた。
南 咲栩
南 咲栩
あ、髪、なんかついてる
麻倉 夏恋
麻倉 夏恋
んえ?どこだー。
すっかり仲良くなった私たち。

私に向かって手を伸ばしてくる南君。
麻倉 夏恋
麻倉 夏恋
何しようとしてんの、触れないでしょー。
そうして私の頭のホコリを取った
のは



南君だった。