丁度1週間前。彼は突然死した。
アルバイト中に意識を失い、そのまま1時間後、息を引き取った。
しかし、予兆はあった。
2ヶ月前から発熱、嘔吐、胸部の痛みなど体調不良が見られた。
これをただの体調不良だと思ったのが間違いだった。
彼の異変に気づいたたった1人の人物。
親友である、高峰君。
が、高峰君もまた、少し程度がひどい体調不良、くらいに思っていた。
そもそも南君の体調不良になぜ家族は気づかなかったのか。
原因は父親にあった。
母親と離婚はしていないが、関係が崩壊しかていた。
仕事はしない、酒癖がひどい、
無駄な物にお金をかける。
更にそのお金は母親と南君が必死に働いて稼いだお金。
もう散々だった。
文句を言えば、何をされるか分からない。
体調なんか、崩してる場合じゃなかった。
そして、
もう限界ってなんだ?って思ってしまうほど頑張って
頑張って
生きた
けど
身体はダメだった。
診断結果は「心臓の突然死」
でも
南君に言わせれば
「父親に押し潰されて殺された」
ようなものだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!