お風呂も済ませて自分の部屋に帰ってきた私はベットにねっこりがり天井を眺める。
あの呪霊と遭遇してからいろいろあったなあ、、
、、、私は狗巻くんのこと好きなのかな。
貸してくれたぬいぐるみ。柔軟剤の甘い香りが広がる。
。。。返したくないなあ
なんで私のご先祖様は狗巻くんのご先祖様に勝っちゃったのかなあ。
そもそも三男さんはなんで実力で決めようとか言いだしたんだよ。。
それがなかったら、、
狗巻くんのこと、好きになっていいのかな。
カーテンの細い隙間から差し込む月光。
奇麗だなあ
もっと近くで月を見たくなり私はカーテンを開ける。
あ、、
窓の外には狗巻くんが立っていた。
ベランダは二部屋ずつ共同になっている。柵に手をかけ、月を眺めていた。
邪魔をしないよう静かに窓を開け、狗巻くんの隣に立った。
え、普通に喋った、、
狗巻くんは数歩下がってベランダの椅子に座った。
。。。寝ちゃった。
風邪ひいちゃうよ。部屋に入れてあげなきゃ。
狗巻くんを運ぶために、狗巻くんの部屋の窓を開ける
ん、?
開かない、、なんで?
窓は内側からカギがかけられていることを疑うくらいぴくりともしなかった。
自分の部屋で寝かせるしか選択肢はない。
すやすやと寝息をたてる狗巻くんを抱え上げた。
っっ軽っ
こんな華奢なのに呪霊払ってるとか信じられないや。。
狗巻くんをベットに横たえ、自分は床にねっころがり、目を閉じた。
リズムのいい寝息が耳に心地よい。
ああ、改めて疲れた、、明日、楽しみだな、、
おやすみ、狗巻くん。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。