相変わらずフィリックスの人気は凄まじかった
けど…何故か私もだった
モブ👨「あなたちゃんだよね…??注文いいかな//」
モブ👨「なんか今日かわいいね、夕方からのイルミ一緒にどうかな?」
モブ👨「連絡先おしえてよ!!」
話しかけてくる人は、顔を赤らめていたり連絡先を聞いてきたりとtheモテてるって感じだった…
全部断ったがそのうちの一人が面倒くさかった
♡「あ、いやあの…」
モブ👨「いーじゃんいーじゃん!!!④のとき?って言うの?そのときどうよ?」
きっと外部から来てる人だ。
さっきからずっとこの調子でかれこれ5分くらいこの人の席に着いている
周りの皆も関わりたくないのか近寄ってこない
だが、流石に断ろうとした
♡「いやっ、④は予定が…」
♡(もうほんとにいやっ…)
私が泣きそうになっていると
🐣「おにーさん。」
後ろからフィリックスが話しかけてきた
モブ👨「あ??」
フィリックスはガンつける男にスルっと手を組む
そして
🐣「そんな子より僕と一緒にスイーツ食べませんかっ??♡」
振り向いた男に向かってフィリックスは最上級の笑顔を向けていた
モブ👨「あっ…あぁ、うん…♡」
男は一瞬で落ちていた
🐣「じゃっ行きましょ…!!!」
そういってフィリックスは男と二人で教室を出ていってしまった
しばらくクラスは静かになったがハッとしたようにみんなが私を囲った
クラスメイト「あなたちゃん大丈夫だった??」
クラスメイト「やばいやつがきたね…」
男がいなくなってすぐにクラスメイトたちから声をかけられたがそれどころじゃなかった
♡「どうしよう…私のせいでフィリックスが、」
私は慌ててフィリックスを追いかけようと教室を飛び出して走った
階段を駆け下りて、学内にあるスイーツを販売しているカフェや喫茶店をしている教室を探したがフィリックスはいなかった
探しているうちに④になるチャイムが鳴った
♡「フィリックス…」
どうしよう…私のせいだ…
行く宛がなくなりふらふらと裏庭の花壇の前にしゃがみ込んだ
♡「ふっ…うぅ…フィリックス…」
涙が溢れてきて顔を伏せる
地面に涙がポタポタとおちて視界が緩んだ
すると緩んだ視界が影がかった
驚いて顔をあげるとフィリックスがいた
しかも天使の格好ではなくスーツだった
♡「ふぃ…」
🐣「やっと見つけた…」
そう言いながらフィリックスは私の眼の前にしゃがんだ
♡「やっと見つけたって、こっちのセリフだよ…」
🐣「え?」
♡「てゆうかあのひとは?!大丈夫だったの?」
私はハッと思い出してフィリックスに食いついた
フィリックスはあ〜、と言いながらニコッと笑った
🐣「筋肉喫茶に行ってきたんだよ」
♡「へ…」
そういえばリノ君、チャンビニ君、チャニ君の筋肉ってイメージが強すぎてスイーツ売ってるの忘れてた…
🐣「大丈夫。あの三人がいるから安心して預けてきたよ」
♡「そ、ソウデスカ…」
私がポカーンとしていると横がパッと明るくなった
♡「うわぁ…」
それはイルミネーションだった
🐣「あなた、行こう」 ♡「えっどこに!?」
そう言いながらもフィリックスに手を引かれるままついていった
連れてこられたのは屋上だった
♡「フィリックス、屋上はうちの学校開放されてないんだよ…」
🐣「そうだね…けど大丈夫♪」
そう言いながら出したのは鍵だった
♡「へ?!それってまさか」
🐣「あったり〜!!」
そして鍵穴に鍵を指すとガチャッと音を立てて開いた
ドアを開けると風が吹いてきてギュッと目を閉じた
改めて目を開けると学祭のイルミネーションが輝いていた
♡「すっっご…!!!」
私は屋上のフェンスへ駆け寄った
後ろから付いてきたフィリックスは
私に手を絡ませて「喜んでくれた?」と笑顔で聞いてきた
私はその問いにコクコクと頷く
♡(嬉しすぎて声でないや…//)
そうしてるとフィリックスの手が私の腰周してきた。そして私の肩に頭を乗せた
?!?!?!?!
🐣「ねぇ、なんでそんなに今日かわいいの…」
♡「え、だってフィリックスと今日回る予定だったから…」
パニックになりながらもフィリックスの問いに答えた
その問いに対して「あーもー」と言いながらフィリックスは顔を上げてこっちを見た
🐣「なんのために僕が可愛こぶってると思ってるの…」
♡「え、かわいこぶってるって…」
私が首を傾げると
🐣「あなたって鈍いね」
そう言って急に抱き上げられた
♡「うわぁあっ」
🐣「あなたを独り占めしていいのは俺だけだから」
そう言ってフィリックスの唇が私の口に重なった
私は抱き上げられたまま口に手を当ててびっくりした
♡「いっ今のって初キ…///」
🐣「今までは可愛いフィリックス君だったから我慢してたんだよ」
♡「え??」
🐣「けどもういいよね」
「覚悟してね、あなた」
そう言って笑うフィリックスの笑顔はいつもの可愛い笑顔ではなくなんだか色っぽくてカッコいい笑顔でドキッとした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!