シリウスが脱獄して、
バッグビーク達と一緒に逃げる手伝いをした。
彼と過ごしたのはあの騒動の数時間だけ。
なのに何故だろう。
今すぐ会いたい。
最近知ったことだが彼は私の父の親友だったらしい。
幼い頃私も何度も遊んでもらったと聞いた。
私はシリウスが大好きでいつもベッタリだったそう。
彼は私の親友であり幼馴染のハリー。
彼の父も私の父同様シリウスの親友だった。
私の両親は例のあの人にハリーの両親と一緒に殺された。
私は両親が殺された時シリウスの家にいたらしい。
女子の寮でため息をつく。
すると1人の可愛らしい女の子が駆けつけてくる。
本当に頼れる親友だ。
ハーマイオニーにしかこんなこと相談できない。
さすがのハーマイオニーもぽかんと口を開けている。
幼い頃大好きだった人がいたことは覚えてた。
それがシリウスって知ったのは最近だけどね。
_____お元気ですか。いや、堅いな。
元気か?俺はまぁまぁ元気だ。
君たちの大切なヒッポグリフも驚くほど元気だよ。
バッグビークの最近の趣味は飛んでいる鳥を食うことさ。
君と昔よく遊んだことは思い出してくれたかな?
そのことで話したいことがあるんだ。
暇な時、一度うちに遊びに来て欲しい。
愉快な仲間達はまた別の機会に連れてきてくれ。
お返事待ってます
シリウス・ブラック_____
なんとかその晩手紙を書き、
急いで返事を返す。
_____シリウス・ブラック様
お手紙ありがとうございます
毎日元気に過ごしています。
早く会えるのを楽しみにしています
ルイス・あなた_____
驚くほどそっけない内容だ。
緊張して言葉が浮かばなかった。
彼にはたくさん伝えたいことがある。
直接ぜんぶ伝えたい。。。。。
いってきます!
大きく手を振りマントを被る。
ハーマイオニーはとても寂しそうな顔をしていた。
ごめんねハーマイオニー………
パタパタと私の歩幅に合わせて飛んでくれる。
可愛い。
『ピィィ!』
大きな高い声。この声は………
バッグビークは私によく懐いてくれていた。
マントを外すと嬉しそうに擦り寄ってきてくれる。
嬉しさのあまり思い切りシリウスを抱きしめた。
幼児を見守るような優しい表情で抱き返してくれる。
そこで我に帰った。
シリウスは父の親友だ。
私のことなんて娘のようなものだ
この人に恋心を抱くなんてどうかしている
引き返さないと抜け出せなくなる、
この人の沼から。
10年ほど前のものだろうか。
教科書ほどの厚さのボロボロの本を渡された。
そっ、と本を開くと、懐かしい香りがした。
本の中に閉じ込められた10年前の香り。
その本はアルバムだった。
両親が作っていたアルバムをシリウスが引き取ったのだ。
シリウスの指す方には、
シリウスに抱かれてニコニコした私が映っていた。
たくさん話をした。
思い出話を聞かせてくれた。
両親がいないことに疑問を持ったことがなかったから、
両親との思い出はなかった。
ちゃんとした記憶はないけど、
シリウスの話のおかげで両親との思い出ができた。
帰りたくないな。
もっとこの人の話を聞いていたい。
思考より先に口が開いた。
ふ、とシリウスの顔を見上げた。
その瞳は僅かに揺れていた。
私は学校を卒業し、
すぐにシリウスの家にほうきで駆けつけた。
私がくるのをわかっていたかのように庭先で迎えてくれる。
ほうきを放り投げてシリウスの胸に飛び込んだ。
うーん、と考える顔も好きだ。
パッと笑顔で顔を上げる。
普段の大人の余裕そうな表情はなく、
緊張しながら伝えてくれる。
そんなの余計好きになる。
少し赤いシリウスの頬にキスをする。
長すぎて面白くないって?設定もめちゃくちゃですよ。書いてる時に思いましたよ。自己満ですすいません。シリウスを書きたかっただけなんです!!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!