無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

8
2021/08/01

第4話

過去の夢
俺には一つ上の兄と弟がいた。
兄はとても面白く、紳士的で、弟は無邪気で、よく転んでいた。
俺はすぐにぼーっとする無気力系の奴だ。
今日も3人で宮殿の庭で仲良く鬼ごっこをしていた。

「よっしゃぁ獄夜、お前鬼な。」
「えーっ!?お兄ちゃん手加減してよッ!」
「そうだぞー手加減してやれー。」
「そういう兄貴だって全速力でなんだったら空を飛んでるじゃんか!」

兄は優秀な天使だった。何か問題があれば兄に頼れば一発で解決してくれる。大人からしたらなんでも屋と同じだ。

所詮、俺たち子供は大人の駒。
これは実は兄からの受け売り。あれを初めて言われたの兄の18の誕生日。俺たちだけが誕生日を祝った時に言われた。
最初は困惑した。だからちょっと疲れてるのかなと思うだけだった。だが20になった今、俺はわかっている。
大人にとって、優秀な子供は扱いやすい玩具。所詮道具なのだ。

つくづく腹が立つ。

同じ天界のものとして恥ずかしい。その時の父はいくら恨んでも恨んでも気が止まない。

兄はその扱いにより死んだ。自殺だった。まだ19だった。本来ならば俺ではなく神になるのは兄だ。兄の方が優秀だし性格も頭も良い。
そんな優秀な人材を潰したのはあの大人のせいなのに獄夜のせいにした。そして獄夜は地獄行き。地獄は最悪のものだ。だが獄夜は努力に努力を積み重ね、地獄の長まで上り詰めた。
その間に何もしていなかったのではなく、父を殺し、神まで俺も上り詰めた。

兄貴は何故道連れにしなかったのだろうか。何故父を殺さなかったのだろうか。何故俺たちに相談しなかったのだろうか。

「何故俺たちを置いていったのだろうか。」

俺は資料を握り潰した。
後悔もない世界などありゃしない。それは人間界でも地獄でも天国でも共通している。この世に存在するものは全て後悔で出来ているのだ。どれだけ天才でもどれだけ権力を持っていてもそれは変わらない。

「兄貴にとって後悔とは俺たちのことだったのだろうか。」