手を動かしてもガチャガチャと音が鳴るだけ
不信感を持って目を開けた
「・・・起きた・・・・・・」
目の前には真っ白な壁と天井
手足には手錠
「デジャ、ヴ・・・?」
いや、これは彼らとの出会いと似ている
でも違うのは
近くで機械の音がするのと
一定のリズムで酸素が入ってくるのくらい
苦しくて外したいけど
手は拘束されていて無理だ
1番早いのは機械のアラームを鳴らすことだろうか
動ける範囲で動いてみると
胸に貼ってあったものが剥がれる
それと同時にアラームが鳴る
翔太「あなたっ!!」
すぐに飛び込んでくる翔太
その後ろに亮平もいる
「おはよ」
翔太「おま、、は??」
「ちょっと、苦しいからこれ全部取って」
翔太はきょとんとした顔で私の酸素マスクを外す
亮平は固まっていて動かない
「うわー、体痛い」
翔太「は??なんでお前そんなふつうなの?」
「え?」
なんで?と聞かれてもなんでだろうか
それはわからないけど
「翔太のおかげ。生かしてくれてありがとう」
そう言うと翔太はポロポロ泣き始めた
「え?!」
翔太「お前のせいだバカッ」
そんな泣かれたら私まで泣けてきた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。