orange side
あなたと任務に付く日になった
何も食べていないあなたは少しだけ顔色が悪く見えた
康二「カップルって設定やから仲良くしてな?」
あなたは頷き
それから俺の腕に自分の腕を絡めてきた
そのままカフェに入り
先に座っている例の男を見やすい場所に座り
カメラをセットした
康二「あ、サンドウィッチとフレンチトーストお願いします」
店員さんはかしこまりましたと笑顔で去っていった
あなたはさっきからぼーっとしている
ふとカメラに目をやると
取引先の人が現れた様だった
康二「女やな・・・」
「にん、む・・・?」
俺がボソッと呟くとあなたは虚ろな目で俺を見た
もう脳みそ回ってないんちゃう?
康二「お、来たやん。美味しそやな〜あなた何がいい?」
そう言うとあなたの目がぐらりと揺れた
「ダイエット中だから私はいいよ。代わりに食べてくれる?」
発された言葉は意外なもので
俺の脳みそがパニックを起こす
意地でも食べへんつもりやん
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。