ご飯も食べ終えて自由に動いていいと許可が出た
翔太「まだ無理すんなよ」
「うん」
ドアを出ようとすると
翔太は少し微笑んで私に手を振った
それにつられて私もぎこちなく手を振る
それから緑の扉を開けた
「任務失敗しました。申し訳ございません。」
亮平「あなた、」
私が頭を下げると
そっと肩を押して私と目を合わせた
亮平「怪我は?もう平気?」
怪我をした腕を優しく撫でる
このまま握りつぶされるのではとひやひやしたが
そのまま優しく元に戻された
亮平「ミッションなんてどうでもいいよ。また行けばいいから。それよりもあなたが心配だった」
そう言う彼の目はゆらゆらと揺らいでいた
亮平「あなたはもう俺たちの家族だから。ミッションよりも生きることを考えて?」
彼の手が私の頭に優しく乗って
髪の毛を撫でた
亮平「会った時と対応が違くてビビるよね。でも信じて欲しい。あなたのこと絶対守りきるから」
悲しそうな表情をする彼を見てられず
私は彼の頬を撫でた
「心配には及びません。」
亮平「今回死にそうだったじゃん」
「以後気をつけます。」
亮平「ねえ、俺にも敬語使わないでよ。てかみんなそれを望んでるから」
ぎゅっと抱きしめられ距離がゼロになる
「わかった」
口から出たのはか細い声
君に聞こえたかはわからない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。