第2話

#2
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2018/05/27 11:07



「...で、そして今に至るってわけ。」




『ぶふっっ...ゴホッゴホッ』




「...おい、茶を吹くな。」




『 だ、だって...ぶっふぉ... 』




「...はぁ。」









入学式が終わり、放課後を迎えた私は、今回も同じクラスだった、親友…? の田端沙樹(タバタ サキ)に、朝のエピソードを話した。





そして今、茶を吹かれた始末だった。






...汚い。











『その後輩面白すぎ...ふふふ』





「いや面白くないから。というか、ただの迷惑だから。」





『そんな冷たいこと言わないであげて〜』





「あんた...面白がってるでしょ...」





この、悪女め。








『あ、そういえば生徒会の仕事ないの?』




「今日は新学期初日だからなかった。」





『それはよかった。
...てか、今日も生徒会長が神々しかった…!』





...私は、推薦されて半強制的に生徒会に入っている。



メンバーは、みんな美男美女で頭脳明晰、運動神経抜群な、非の打ち所のない人ばかりで、各学年2人ずつ。



そんな生徒会に推薦されたのは、少し誇らしかった。



だけど、なんで私が推薦されたかは、今でもよく分からない。






で、沙樹の言う生徒会長ってのが私の年上の幼なじみだったりする。



名前は、紫翠博史(シスイ ハクシ)。



“完璧“な人達が集まる会の中でトップだと言うことは、学校のトップだということ。



彼は、とにかくすごい人なんだ。









「すごいとは思うけど...なんで、博史がモテるの?」





『そりゃ、イケメンで色々と完璧だからでしょうよ。』






「...はぁ...みんな、騙されてるよ...(ボソッ)」






『ん?なんか言った?』





「いや、別に。」








確かに、“表向き“はすごい人。




だが、裏がひどい。




博史...奴は、女を弄んでいる。




遊んだら捨てる。

飽きたら捨てる。

また代わりを作る。



これの繰り返し。







来る者拒まず、去るもの追わず。







最低だとは思うが、私はこいつに興味がないため、そんなことはどうでもよかった。







遊ばれる女も、博史と同レベルだ。







だから、特には気にしてない。









『博史様尊い...』












沙樹が気の毒だが、あいつの反感を買うようなことは死ぬのと同じようなことだ。



余計なことはしない。























こんな性格のせいか、周りからは「冷たい」と言われることが多かった。




だが、このことについても特に気にしていない。










気にしなければいい。



気にしなければ、勝ちだ。

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