第6話

22
2020/08/17 03:00
光輔
疲れたー!
ホテルに入って早々ベットにダイブした。
割と近かったけど、体力のない僕にはこの距離でもちょっと疲れてしまう。
自分の体力のなさに、呆れながら口コミを見ることにした。
光輔
宇治喫茶っと
喫茶店の名前を入力すると、案外すぐに出てきた。
そして僕は気になる評判に目をつけた。
画面に表示されているのは、いい評価ばかり。
ということは、人気の喫茶店みたい。
お店の雰囲気が好き、店員さんと喋りやすい、愛想がいいから好み、など書かれていた。
光輔
店員さんの愛想良いよね、僕も喋りやすかったもん
口コミに共感して、無意識のうちに独り言を喋る。 
あんなにいい喫茶店なのに、なぜ人が来ないのだろうと、純粋に疑問を抱いた。
その理由として、町外れにあるからではないか、という推測が書かれていた。
恐らくあのお店は、知る人ぞ知る秘密基地的な存在なのかもしれない。
光輔
なんか、人があまり来ないからこそのあの空気感っていうのがいいのかもしれないな
光輔
なんか今のかっこよくない!?
自分でかっこいいと言うのは、間違いだとあとから思ったが、言っていることはあながち間違っていないかもしれない。
僕はあのなんとも言えない、不思議な空気感に心を奪われたのだから。
個人的にあの喫茶店は、今まで行った喫茶店の中で1位かもしれない。
光輔
あと五日間のうちのどれかにはもう1回行っておきたい
1週間の京都の旅、昨日は移動に疲れたから、どこにも行っていない。
今日は、朝から宇治喫茶に行き、今に至る。
お昼からはどうしようか、悩んでいるところ。
明日は違う喫茶店を巡りに出かけようと考えている最中。
光輔
んー…悩むところなんだよなぁ…
想像以上に今回の京都の旅は、色々出来事が起こりそうな予感。
なんだかそんな気がして堪らなかった。
東京住みの僕は、仕事もしているからそう簡単には、京都に来ることは出来ない。
だから、今週のどこかにもう一度あの幸せを堪能したい。
光輔
もういっその事京都に引越ししようかな
ふと漏らした独り言に、自分自身びっくりした。
確かに京都はいい場所だし、引っ越してみたいなんて何回も思ったことはあった。
しかし、今の仕事の関係もあり、簡単に京都に引っ越すことは出来ない。
言うのはタダだけど、引越しには時間もお金もかかる。
光輔
もう疲れちゃった
さっきの疲労と、考え事で頭がパンクしそうになった僕は、少しだけ寝ることにした。
ベットに横になると、すぐに睡魔が襲ってきて、一瞬で深い眠りについた。

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