そう、全てはそこから始まったのだ。
特命係の昼下がり、ブラインドから透けて見える日差しがまだ天辺にいる。
中身のない返事を神戸がした。そんなことどうでもいいが滲み出る返答である。
彼の頭は昼ご飯のことで一杯なわけで。
小鳥遊とは、米沢の恋人の、小鳥遊ノエルのことである。
そして女子四人というのは、杉下、神戸、陣川の恋人である朱羽根蒼良、東雲陽花、暗坂凪沙のことを指す。
それぞれ互いに面識があり、仲はそれなりにいい。
ちなみに、陣川に恋人がいたという事実を知ったときは誰もが神妙な顔つきになり、むしろこの男が騙されているのではないかと勘ぐったという思い出付きである。
果てさて、どんな温泉旅行になるのやら。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。