さてここは女湯。ああ、なんて素敵な空間なのでしょう。欲がピンクじゃない。
素晴らしいね。
水の清らかな音が空間を満たしてゆく。
清らか。
蒼良は湯に浸かる自分の体をぐるりと眺めた。
随分と綺麗になったものだ。
両手首の傷跡は、もう気にならなくなるほど治っている。
あれはどれくらい前のことだったか。
__________何してるんですか、蒼良
_____何って……右京さん……見たらわかるでしょ……?
ちっともわかりません。
どうして……?
自分を自分で傷つけて、それであなたは救われますか?
でも、そうじゃないと、生きてるって思えないよ……。
……。
右京さん……。
馬鹿なことはやめなさい、それでは僕が幸せじゃない。あなたも。幸せも夢も、日常も、掴めませんよ。カッター、返してくださいね__________
そういえばそんなこともあった。
でもいいのだ。私は彼に救われたと言うことで。
思い思いに湯に浸かる女性陣。まさか隣の男湯でかのような葛藤が繰り広げられているとも知らずに。
さて、彼女たちがそれに気がつくのはいつのことか……。
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胸の大きさは私の独断と偏見とアイコンの見た目から決めてます←
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。