映画館から出てしばらくカフェで映画について語り合っていた
そんな感じで怖がるポイントもピッタリ一緒。
彼女とはそんなこと無かったのになぁ……笑
顔に出てたのかチェヨンの顔がまた曇る。
それでもすぐに作り笑顔を作るチェヨン。本当に……
その後も語り続けて2時間弱。
そろそろ帰ろうかなんて笑って。
なんで?
そんなこと聞かなくても私が一番わかってる。
わざわざチェヨンに言わせようとする私は最低中の最低だ。
初めて聞くチェヨンの声に反射的に顔を上げる
そこには無理して作った笑顔から涙を零すチェヨンがいた。
この2年、1度も泣いたことのなかったチェヨンが…
何故か私もつられ泣きしてしまって。
しばらく二人で人目も気にせず泣きあかした。
落ち着いたところで改めてチェヨンが口を開く
送っていくよと言えば、探したい人、いるんでしょ?といってスッキリした顔で帰っていった
何もかもお見通しなんだ。チェヨンには。
心の中でチェヨンにありがとうと。
彼女を探すために走る。
映画館から出る時。見つけてしまったんや。
ずっと会いたかった彼女の姿を。
隣の子と恋人繋ぎしてんよな……
2年も経ったんや。恋人のひとりやふたりくらい……
あかんな。隣にみーたんおるって言うのに。
そう思って、近くのカフェに入ってさっきの映画についてみーたんから語られる
しばらく話していれば大きな声でそう!と聞こえてきた。
あまりにも彼女に似ている声で…思わずめで探してしまう。
そう言ったみーたんは紅茶を一口飲む
ティーカップを置いた途端、ふと寂しげな表情を浮べたみーたんに不安になる
初めてだ。2年前から今まで好意を寄せられていただなんて
まったく気付かへんかった。
何も答えられへんサナを見てみーたんは少し笑って
少しドキッとしたのは事実。こんな美人顔でそんな事言われたら誰やってそうなるやろ
しばらく話してみーたんがそろそろ帰ろうかと席を立った
みーたんが聞いた事のないひっくい声でサナの両頬を掴んで言った
だからか。たまに気付いたらあなたとの写真が部屋に散らかっていることがあった。
大抵が辛かったり失敗したりの時。
え…ほんまに言うてるん?
彼女おったやろ…そんな訳あるかい……
みーたんに荷物を預けて足を踏み出す
まだ帰らないで…………
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!