第22話

これからは(3) サナ
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2021/04/06 02:58





映画館から出てしばらくカフェで映画について語り合っていた









あなた
やっぱりあれが1番怖かったなぁ……
チェヨン
チェヨン
枕から手が出てきたヤツ?
あなた
そう!




そんな感じで怖がるポイントもピッタリ一緒。









彼女とはそんなこと無かったのになぁ……笑









顔に出てたのかチェヨンの顔がまた曇る。









それでもすぐに作り笑顔を作るチェヨン。本当に……









その後も語り続けて2時間弱。









そろそろ帰ろうかなんて笑って。





あなた
じゃあ、また。
チェヨン
チェヨン
………
あなた
…?チェヨン?
チェヨン
チェヨン
…ねぇ
あなた
…どうしたの?
チェヨン
チェヨン
私達…別れよっか。
あなた
…なんで?







なんで?










そんなこと聞かなくても私が一番わかってる。














わざわざチェヨンに言わせようとする私は最低中の最低だ。








チェヨン
チェヨン
最初の頃は…さ、一緒にいてすごい楽しかったの。私。
チェヨン
チェヨン
でも、最近のあなた、笑ってないんだもん
あなた
…そんなこと
チェヨン
チェヨン
ないって私の顔みて言える?





初めて聞くチェヨンの声に反射的に顔を上げる













そこには無理して作った笑顔から涙を零すチェヨンがいた。













この2年、1度も泣いたことのなかったチェヨンが…













何故か私もつられ泣きしてしまって。




チェヨン
チェヨン
なんで…なんであなたまで泣いてるの…
あなた
ごめん…ごめんね…ごめんねチェヨン…
チェヨン
チェヨン
いいんだよもう…






しばらく二人で人目も気にせず泣きあかした。






落ち着いたところで改めてチェヨンが口を開く




チェヨン
チェヨン
私達…別れるんだよね…その様子だと
あなた
……ごめん…
チェヨン
チェヨン
謝らないでよ…笑悪いことじゃないんだから
チェヨン
チェヨン
別れたからって遊べないとか言わせないからね?
あなた
うん……ありがとう
チェヨン
チェヨン
私、多分あなたが想ってる人よりあなたと息合ってる自信あるから。





送っていくよと言えば、探したい人、いるんでしょ?といってスッキリした顔で帰っていった






 







何もかもお見通しなんだ。チェヨンには。













心の中でチェヨンにありがとうと。














彼女を探すために走る。





























映画館から出る時。見つけてしまったんや。














ずっと会いたかった彼女の姿を。














隣の子と恋人繋ぎしてんよな……














2年も経ったんや。恋人のひとりやふたりくらい……














あかんな。隣にみーたんおるって言うのに。















そう思って、近くのカフェに入ってさっきの映画についてみーたんから語られる






ミナ
ミナ
なんだかんださーたんはしっかり見てるんよなぁ?笑
サナ
サナ
うっさいわ…笑





しばらく話していれば大きな声でそう!と聞こえてきた。














あまりにも彼女に似ている声で…思わずめで探してしまう。





ミナ
ミナ
…さーたんさ、まだ忘れられへんのやろ?
サナ
サナ
…え?
ミナ
ミナ
あなたちゃんのことやで。見てればわかる。






そう言ったみーたんは紅茶を一口飲む







ティーカップを置いた途端、ふと寂しげな表情を浮べたみーたんに不安になる





ミナ
ミナ
なぁ…私じゃ…私じゃダメなん…?
サナ
サナ
え…?どういう…
ミナ
ミナ
私のことは好きになれへんの?





初めてだ。2年前から今まで好意を寄せられていただなんて














まったく気付かへんかった。














何も答えられへんサナを見てみーたんは少し笑って




ミナ
ミナ
冗談やで笑笑
サナ
サナ
なっ…もー!タチ悪いで!
ミナ
ミナ
ごめんな?笑ちょっと面白くて
サナ
サナ
別にええけど…笑





少しドキッとしたのは事実。こんな美人顔でそんな事言われたら誰やってそうなるやろ














しばらく話してみーたんがそろそろ帰ろうかと席を立った






ミナ
ミナ
…探しにいかんくてええの?
サナ
サナ
……向こう彼女おったし…
ミナ
ミナ
……そう言ってただ逃げとるだけやろ?
サナ
サナ
…みーたんに何がわかるん
ミナ
ミナ
なめてもらったら困るわ





みーたんが聞いた事のないひっくい声でサナの両頬を掴んで言った





ミナ
ミナ
さーたん気付いとらんようやから教えたる。
2年前のあん時から、何かあればあなたの写真ばらまいてるんやで?







だからか。たまに気付いたらあなたとの写真が部屋に散らかっていることがあった。














大抵が辛かったり失敗したりの時。





ミナ
ミナ
さっきもあなたちゃん、さーたんを探してたんやないの?雨ん中外走っとったよ。






え…ほんまに言うてるん?














彼女おったやろ…そんな訳あるかい……






ミナ
ミナ
さっさと行かんと、取られんで?
サナ
サナ
……みーたんごめん………!






みーたんに荷物を預けて足を踏み出す















まだ帰らないで…………






































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