ツウィちゃんを教室まで送り届けて時計を見ると予鈴の五分前
友達らしき女の子がツウィちゃんをドアのところまで迎えに来たから
俺はまたねと言って自分の教室へ戻る
教室についてちょうど予鈴がなった
5、6時限ともに俺にしては真面目に受けて
昇降口から靴を履いて出ようとした時。
ジョンホが焦った様子で俺を引き止めた
なんてことだ。放課後なんて1番油断する時間だ。
どうせ犯人はあいつだろう
体育館裏、トイレ、体育館倉庫、教室、どこを探してもいない。
他には入れるとこなんてねえよ...
外の体育倉庫に居ないことを確認して校舎を見ると
入れないはずの屋上に複数の人影が
そこか。
ガンッ
ドアを開けて視界に入ったのは押し倒されているツウィちゃんと、
恐らく無理矢理キスでもしようとしていたのであろう男がいて、
周りには男の取り巻きと思われる男と女たち
......最低だな、ほんと
とりあえず見つかって焦っている男を軽く蹴り飛ばしてツウィちゃんから距離を取らせる
ツウィちゃんを立たせてあげると俺の後ろへ隠れる
既視感。
そう言って殴りかかってくる。
そこで俺が...なんてことは無い。俺には武道や格闘技の経験なんてないし。
大人しく殴られとくか...と目を瞑り歯を食いしばっていると
前からドンッと鈍い音がした
目を開くとそこには男を見下ろしているツウィちゃん
これは...ツウィちゃんが吹っ飛ばした...?
ポカンとしているとツウィちゃんが一言
ツウィちゃんが指差す方向に目を向けると割とバレバレの監視カメラ
あれ、こいつこんなとこにあったのに気付かなかったの
と、扉の向こうから複数の足音
ドアが開けばジョンホを先頭にガタイのいい精鋭体育教師たち
ツウィちゃんが男を見下ろしていて、俺がそのツウィちゃんの後ろにいるこの状況。
さっきまでツウィちゃんが襲われていただなんて想像もできないこの状況
ツウィちゃんに捨て台詞を吐いたあいつは悔しそうに連れて行かれた。
取り巻き達も連れていかれて、ジョンホは先生たちについて行って、
ここには今俺とツウィちゃんの2人だけ
沈黙が広がる。
あんなことがあったあとだし、そりゃ怖くもなる
何か言ってあげられればいいんだろうが...
風の音に包まれる屋上の空間が大きく震えた
職員室へ入れば怒鳴られて萎縮している男
男の取り巻き達は横柄な態度を崩さず、
俺達に気がつけば大きく舌打ちをして睨みつける。
そんな奴らを横目に職員室の扉から出る。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。