いつも通りみんなでゲームしたり菓子パしたりしていた時。
急に立ち上がって小指をぶつけてうずくまって...
仕切り直すかのように咳払いをした後言っとったな
そんなこと言って笑いながら。
田舎やし、どこの道も真っ暗やのに、
バカみたいにはしゃいで、近くの家のおじさんに怒られたこともあったな...笑
私達が集まる時は絶対それぞれがなにか辛いことだったり不安なことがある時。
それを忘れるかのように、押し潰されないように
そんなことを一時でも忘れたいから。バカみたいにうるさくして怒られて。
相変わらずあの二人は...
そう言うあなたの隣にいるのは心地がいい。
いつからやっけな...あなたのことを追いかけ始めたんは。
...言ったら、驚かんで聞いてくれるかな。
私の...この想い、受け止めてくれる...?
それからまた1年がたった。
まるっきり1年。私たちの都合は合わなくて。
ももりんとさーたんは今日会えなくなってしまった。
私とあなたの二人きり。
1年前来たこの場所は少しも変わってなくて、騒がしかったあの時が昨日の事のように思う。
もっかい覚え直さな!とか言って指差している
忘れたことなんてない。
帰り道に見上げては何度も思い出して、
二人で行った時のことばっかり頭に浮かんでくる
そうやって指を差してくれるけど、私には見えへんくて。
これじゃひとりぼっちやん...
楽しそうに星空を眺めている隣の人
それを見て何か言おうとしたけど...なんも言えへんくて。
ほんとは分かってたんや。自分でも。
せやけど見つかっても届かんやろ。織姫様も彦星様も。
天の川に邪魔されて、一年に一回しか会えへんやろ。
そう思うと、なぜだか泣けてくる。
織姫様と彦星様に私達を...投影してしもうたんや。
あかん。泣くな名井南。泣いたらあかん。
そう言い聞かせた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!