ある夫婦がいた。でも夫は味噌には厳しかった。
「おい!この味噌汁、美味くないぞ!母さんの味噌汁の方が美味しかった…なんでこんな飯マズ女と婚約したんだろう…」
「…すみませんでした…」
でも妻が何回も味噌汁を作り直しても「まずい!」と言われるだけだった。
さすがに頭にきた妻はこっそり味噌汁に殺虫剤を入れた。そして夫に味噌汁を渡した。
「今度はちゃんとできてるだろうな…」
夫が味噌汁を飲むと…
「美味い!これが昔子供の頃母に作ってもらった味だ!何をいれてこんな美味い味噌汁を作れた!」
「…殺虫剤です…」
夫の顔色が変わった。
解説
夫の毎日母親に作ってもらった味噌汁は毎日殺虫剤をいれていた。妻から「殺虫剤です…」と言われた時、夫は妻と夫の母親が殺虫剤をいれているのにショックを受けただろう。でもなぜ殺虫剤を入れられていたのに死なないのだろう。夫は本当に人間なのだろうか
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。