ちょっと仕事が長引いてめちゃくちゃ遅い時間になってしまった。このまま遠回りして帰るか、近道のトンネルを通って帰るか。
でももう遅いし、妻も怒るから、近道で帰るか。…でもあそこのトンネルにはめちゃくちゃ幽霊か出るって噂あるから本当は行きたくないんだけどなぁ…。まぁ今日はしょうがないか。
噂の一方通行のトンネルの中を通ると、ある車とすれ違った。ん?あの人、今めっちゃ俺の事見てなかったか?
トンネルを出ると、なんともなかったので、良かったと思った。なんか頭痛くなってきたなぁー。ちょっとここで休もう。
ん?あっ!君はさっきすれ違った車の人!
え…車に乗ってるのって…俺だけなんだけど…。
その後、俺は霊媒師を呼んでお払いをしてもらった。
解説
物語に出てきたトンネルは一方通行。
だが何故、語り手は、車とすれ違ったのだろうか。果たしてあの男性は人間だったのだろうか。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。