僕達は雨で遊園地に行く予定がなくなったので、県内の有名な幽霊の出るトンネルに友人のAとB、Cと僕の4人で車で行こうという話になった。
車でトンネルに行ってみると想像以上に不気味だった。僕がひきかえそうとするとAが
と言ってきた。
でも僕の足がガクガクしていた事から「やっぱ怖いんじゃん」と皆に笑われた。
そうしてゆっくりとトンネルに入った。
特になんともならない。
Bはため息をついた。
ペタ…ペタ…
変な音がして僕達は辺りを見渡した。
そしてCが車の外を見てみると
Cが真っ青な顔で車に乗ってきた。
僕達も外に出てみると
車に手形がついていたんだ
僕は車にすぐ乗ると近くのコンビニに駆け込む事にした。トンネルを出るとまだ雨が降っていた。
そしてあのトンネルからもっと離れる事にしようと皆が車に乗った。
…でも僕は車についている手形を見て車に乗れなかった。
その日は"雨"が降っていた。
雨が降っているのに手形がトンネルから出てまだついている事などないはず。という事は
車の中に友人でも語り手でもこの世の者でもない誰かがいた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。