第5話

走る。
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2018/09/08 12:06
ただひたすらに走る。
走る。
走る。
走る。
駅に行ったも、何故か運悪く人で溢れかえった駅内。
タクシー乗り場に目をやるも、長蛇の列。
私は、足をもたつかせながら、溜息を着いた後に目的地を病院に変え、走った。
交差点に差し掛かろうとした時、丁度信号が赤に変わる。
止まれなかった私は、スピードを落とせずに転んだ。
あなた

いったぁ…

膝は、酷い有様だった。
が、信号が変わると私はそんな痛みなど忘れ靴を脱ぎ、裸足で横断歩道を走った。
こんな大事な時に、玄関先に普通の靴を出しておかなかった自分が憎い。
周りの目なんて気にしてる場合じゃなかった。
もしかしたら、はじめが。
はじめが。
想像するだけで出る涙を、拭うこともなく私はひたすら走った。
十数分後_
私は、激しく走ったせいで服も体もボロボロになった。
しかし、無事に病院まで来れた。
私は、スピードを緩むことはない。
というか、緩むことは許されない。
私とすれ違う人は皆、私を2度見する。
でも、そんなの気にしてる場合ではない。

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