私は家に帰って、優雨が教えてくれた情報をもっと詳しく知りたいと思い、検索した。
やはり、優雨の言う通り、私は性別の時点でアウトだった。
性別がアウト…か…。
なら…男装したらバレないんじゃない!?
なんて馬鹿な案が頭に思い浮かんだ。
でもダメだダメだダメだダメだと、自分の中で反論した。
性別以外にも沢山の応募条件があった。
明らかにクリアしてない数の方が多かった。
でも、偽れば_
偽ればいいんじゃない!?
ダメ元で私は、書類を送ることを送ることにした。
ワンチャンスにかけたのだ。
あるはずのない、馬鹿馬鹿しいワンチャンス。
数日後_
私のスマホ宛に謎のメールが届いた。
どうせ迷惑メールだろうと思い、未読にしたまま1週間が経った日のことだった。
優雨に、
スマホを覗かれそう言われた。
最近こういう言動に敏感になった。
自分が詐欺?のような犯罪チックなことに値してもおかしくないような行為をしたという自覚があるからだと思う。
と、とにかく置いといて…
そういえば、畑の新メンバーの通知も来ているはず…
答えは分かっているけど、メールを開きたくてメールの整理を始めた。
…
思わず大声を出してしまうほどの、内容。
メールにはそう。
「合格」
の文字が。
あの、畑のオーディションに…合格…?
私はよくわかなくパニックになっている、優雨に事情を説明した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!