なんではじめ…
シルクに触れてるのに、消えない…
『俺のこと見える誰かに触れられると、俺は消えちゃうらしい』
そう、確かはじめは言ってたはずだが…
シルクには今きっとはじめが見えてる。
のに、消えない…?
一気にシルクの顔が強ばる。
それと同時にシルクの手を取ったはじめの手に力が入るのがみえた。
やだ。
何も口だせない。
言いたいことが無いわけではないのに。
自然と硬直してる感じが。
やめて。
お願いだから、2人とも…!!
すると、シルクを握ったはじめの手がすっと離れた。
きっと、心を読んだ…
シルクは私にそう言い放つと、早足で部屋を出ていった。
立ち尽くす2人の間に静かな沈黙が、流れる。
こういう時は心の中で…
なんで、はじめ…無茶したよ。
少しバカっぽく、はじめはそう言う。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。