みやゆうさんにテキトーに事情を説明すると、
と言われた。
少し裏道を歩くとここは…?
マンション…?
目の前には立派なマンションが建っていた。
訳が分からず、ボーッとしていると、
みやゆうさんに手を引かれ、エレベーターへと入った。
声のする方を見ると、今にも泣きだしそうな桜和ちゃんが。
私も知らないから、こ、怖いというか、予想がつかない。
すると桜和ちゃんは首を横に振った。
桜和ちゃんは少し怒ったように地団駄を踏み、頬を膨らます。
それを見たみやゆうさんは少し首を傾げた後に
そう言うとスっと私の手を離した。
桜和ちゃんは首を傾げた。
ゆっくり扉が開き、私達はエレベーターを出た。
そう言ってみやゆうさんはチャイムを鳴らした。
すると返事がないまま、鍵が開く音がした。
躊躇しながら中へ入ると、懐かしい匂いと共に見覚えのある後ろ姿が見えた。
あの時より少し気だるそうな…あれは…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!