第52話

奇跡の類は好かない。
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2020/04/26 09:00
桜和
おにい…!ハマった…!
桜和ちゃんの目が、歪なそれと同じように輝き出した。
あなた

なん…で…

奇跡か…信じられない…言葉に出来なかった。
鏡の欠片を、なんでポッキーくんが…?
ポッキー
なんかさっき、あなたちゃん達が来る前っていうか午前中か、俺掃除してたんだけどさ…終わったあと、
ポッキー
掃除機かけたはずの床に何故かこれが急に…なんて言うんだろう。
ポッキー
降ってきたっていうか…
降って…きた…?
シルク
そ、それって何時頃…!?
ポッキー
今18時まわって…7時間くらい前…だから、11:00頃!
ポッキー
あまりに綺麗だったから捨てれなくて。
と、ポッキーくんは少し恥ずかしそうに笑みを浮かべた。
@シルクsideーーーーーーーーーーーーーーー
11時頃って…桜和が事故にあった時間…
なるほど、4年後の6/23の11時と今日この日の11時が桜和によって一瞬繋がったってことか…?
とりあえず、俺の秘密を知らない彼らにそのことを話す勇気などはまだないし、情報収集からってことになりそうだ。
@あなたsideーーーーーーーーーーーーーーー
ポッキー
シルクさんは?どうされたんですか?
ポッキーくんが振り返ったその時、
桜和
あっ…うっ…
鈍い音を立てて桜和ちゃんがその場に倒れた。
あなた

桜和ちゃん…!

私はすぐさま駆け寄り、額に手を当てたり鼓動を聞いたりした。
シルク
すごい熱だ…
シルク
ポッキーくん、悪いけど明日また来てもいいかな?
ポッキー
あぁ、うん、全然大丈夫ですけど…
桜和ちゃんがスっと浮かんだかと思うと、そこには桜和ちゃんを抱き抱えたシルクが真剣な顔で立っていた。
シルク
ごめんね。桜和が危ない。
また…その言葉…
その時私は桜和ちゃんのペンダントが少し怪しく光ったのを見逃さなかった。

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